Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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マクロ経済学 I
(マクロ経済学)
小島 祥一
選択必修  2単位
【経済】 12-1-1110-0210-01

1. 授業の内容(Course Description)
 世界経済危機は、パートIが大規模な政策と新興国の成長で一段落した後、ユーロ圏財政危機で、パートIIに移った。この危機を生きのびるためには、なぜ危機に陥ったのか、どうすれば脱出できるのか、危機を繰り返さないためにはどうすればよいのか、各人が考えを深める必要がある。
 マクロ経済学は、このような世界経済、日本経済を全体としてとらえ理解するために必要な概念、統計、理論を提示する。この授業では、入門マクロ経済学の基礎の上に、世界経済、日本経済の危機の現状について最新のデータを見ながら、それを理解し分析するために必要な、より進んだ知識を身につける内容としていく。
 具体的には、世界が貿易と資本の流れで繋がっている開放経済の現実をとらえるため、世界貿易、国際収支、為替レート、ISバランスの分析を理解すること、日本経済、世界経済を実物とマネーの両面から分析するために必要なIS−LM分析を理解すること、バブル発生・崩壊・長期低迷や人口減少など課題先進国の日本をどうとらえるか、経済成長論から考えること、である。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 貿易・国際収支・為替レートの理解を深めること。
 IS−LM分析に慣れること。
 経済成長論の考え方を知ること。
 世界経済、日本経済の危機について、新聞、TV、ネット上の専門家の分析を理解し自らコメントできるようになること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末テスト100%。テストは、授業をまじめに受け、家で勉強し、最低限の知識(MR)を身につけたか(70%)、自分で考える力(自分流)を身につけたかどうか(30%)をみる。
 欠席・遅刻・早退、教室にいても授業不参加・ケータイ・マンガ・ゲーム・寝る・喋る・立ち歩く・飲み食いするでは、解けないように作問してある。
 出席管理システムの情報は、テストの総合判断に反映させている。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:グレゴリー・マンキュー『マクロ経済学I、入門編』第3版 東洋経済新報社、2011年
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 経済がどう動いているか、新聞、テレビ、ネットなどで毎日フォローし、自分でもコメントしてみること。
 教科書、参考書で授業に先行してテーマに親しんでおくこと。
 授業後、プリントを材料にして、考え方の流れを振り返り、不明な点を詰めること。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 マスコミに出てくるさまざな意見を分かった上で、それに対する自分の意見も持てるようになってほしい。それが自分流であり、就職活動に必要な社会人の条件につながる。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 第1章 世界経済危機と日本の「失われた20年」
  1.ユーロ圏財政破綻の危機でパートIIへ
【第2回】
  2.各国の金融緩和・財政拡大策と90年代日本の比較
  3.日本経済のゼロ成長、デフレ、高失業、世界シェア低下
【第3回】
  4.日本経済のゼロ金利、国債残高累増、人口減少
  5.米欧の日本化
【第4回】
 入門マクロ経済学I・IIの復習
  1.閉鎖経済、完全雇用の市場均衡
  2.マネーはどう流れるか
【第5回】
 第2章 開放経済
  1.日本の対外経済指標
   ①為替レートとPPP ②輸出の世界シェア ③輸出入の対GDP比率
【第6回】
   ④経常収支、 ⑤資本収支・外貨準備
【第7回】
  2.小国、開放経済、完全雇用の場合の市場均衡
   ①モノの流れとアブソープション
   ②カネの流れとISバランス
【第8回】
 第3章 総需要の短期変動
  1.ケインジアンの45度線分析(復習)
【第9回】
  2.IS曲線の描き方、IS曲線のシフト
  3.LM曲線の描き方、LM曲線のシフト
【第10回】
  4.財政金融政策のIS/LM分析
【第11回】
  5.日本経済長期低迷のIS/LM分析
  6.世界経済危機のIS/LM分析
【第12回】
  7.IS/LM分析と総需要曲線、総供給曲線
【第13回】
 第4章 経済成長とバブル
  1.資本蓄積と経済成長の仕組み
【第14回】
  2.経済成長の黄金律
  3.技術進歩と経済成長、人口減少をどう考えるか
【第15回】
  4.ラムゼー・モデル、重複世代モデルとバブル