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授業の内容(Course Description) |
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この演習では、古今東西において繰り返される「バブル」という経済現象をテーマに取り上げ、その発生・崩壊のメカニズム、経済・社会に与える影響、そして経済学的にはこれをどう捉えていくべきか等について、様々な角度から考察します。 戦後の日本経済は、幾多の困難に直面しつつも都度これを克服し、輝かしい成長・発展を遂げてきました。しかし、1980年代後半に遭遇した「バブル」については、いまだに日本全体が、精神的側面も含めその後遺症から脱しきれず、これがその後の「失われた10年」、「20年」の一背景になっているとも考えられます。 今我々が抱える数多くの難題を着実に解決していくためには、まず、我々自身が世の中に漂う閉塞感を打破し、「やればできる」という自信と勇気を取り戻すこと。これが何よりも大事ですが、そのためには、そしてまた、同じような「失敗」を繰り返さないためにも、「バブル」を多面的に研究してみることの意義は大きいと考えます。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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バブルに限らず人間の犯す「過ち」の多くは、後になっては、その愚かさに誰しも気づくものの、その渦中にあってこれに気づく人は少ないものです。この演習では、そうした「人間誰しもが陥りやすい落とし穴」を、極力当事者としての感覚を持って、見つめ直し考え直すことにより、社会人に求められる思考力・判断力の涵養を図っていきたいと思います。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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出席と討論への参加、レポートの作成と発表等に基づいて総合的に評価します。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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授業の進行に伴い、適宜紹介していきますが、以下のようなものが参考になると思います。 ジョン・K・ガルブレイス(鈴木 哲太郎 訳)『[新版]バブルの物語』ダイヤモンド社 日本経済新聞社編『ニッポンこの20年』日本経済新聞出版社 戸部 良一ほか『失敗の本質-日本軍の組織論的研究-』中公文庫 友野 典男『行動経済学-経済は「感情」で動いている』光文社新書
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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何事についても、分からなかったこと、疑問に感じたことは、そのまま放置せず、すぐに調べる、ないしは質問するクセをつけてください。 また、各回の発表担当者は、責任を持ってきちんと準備をしてください。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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ゼミは共同作業ですから、最低限自分に与えられた役割はサボらずに果たすこと。また、できるだけ周囲に気を配り、お互いにサポートし合うよう心掛けてください。そして、何よりもまず担当教員やゼミ仲間のコミュニケ―ションを密にして楽しく思い出に残るゼミ生活にしていきましょう。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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ゼミ生の「バブル」に関する認識や興味分野等につき意見交換を行いながらテーマを幾つかに絞り込み、グループ分けしたうえで、研究・発表を進めていきます。
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