1. |
授業の内容(Course Description) |
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この資源論Iでは、自然環境の中で人間が役立つと評価して利用しているものを天然資源としてとらえ、主にエネルギー資源と鉱産資源について、一般に見落とされたり誤解されたりしがちな話題を取り上げて、平易に解説する。なお秋学期の資源論IIでは、森林資源・水資源・土地資源を取り上げる。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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この講義では、環境問題を直接には取り上げないが、環境問題と表裏一体の関係にある天然資源の利用の実態について理解することによって、環境問題の理解に役立つようになることを目指している。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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試験(授業期間内)による。試験は、実際の授業への出席に基づく授業内容の理解とそれに対する知的反応を確かめることを目的とする。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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独自の講義資料(教室で配布)により、講義形式で進める。この講義では、既存の文献を鵜呑みにすることよりも、「生」の講義への知的反応を期待するので、あえて一般的な参考文献は紹介しない。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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講義資料に基づいて、次の講義の展開やポイントを予想するとともに、疑問点を明確にしておく。疑問を持てるということは重要な知的能力である。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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この講義では、受講者が経済学・地理学などの専門知識を持っていないことを前提としている。また、単に知識として覚えるのではなく、「生」の授業に出席して、いささか風変わりかもしれない講義によって知的刺激を楽しみ、これまで知っているつもりだったことや一般的な通念にとらわれずに、視野を広げることが期待される。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 天然資源とは何か? *温泉や「良い景色」も天然資源である 【第2回】 天然資源はタダ? *ミネラルウォーターの値段/ガソリンの値段 【第3回】 天然資源と人口① *世界の人口の歴史的増加/ヨーロッパとアジア 【第4回】 天然資源と人口② *日本の人口の歴史的増加/縄文時代と江戸時代 【第5回】 歴史的に見たエネルギー消費 *エネルギー消費の増加/太陽エネルギー経済と化石燃料経済 【第6回】 日本のエネルギー消費の推移① *石炭・石油・天然ガス・原子力/「エネルギー革命」の誤解 【第7回】 日本のエネルギー消費の推移② *「石油危機」の誤解/水力と原子力 【第8回】 世界のエネルギー消費 *エネルギー消費とGDP/CRW 【第9回】 鉱産資源の埋蔵量と生産量 *埋蔵量も増加する/「石油偏在論」の誤解 【第10回】 資源が先か技術が先か? *木炭製鉄からコークス製鉄へ/パルプ原料の変化 【第11回】 日本の鉱産資源の歴史的評価① *「日本には資源がない」というのは誤解である 【第12回】 日本の鉱産資源の歴史的評価② *石炭と銅/足尾銅山/日立と住友 【第13回】 オーストラリアの鉱産資源① *エネルギー資源が重要である 【第14回】 オーストラリアの鉱産資源② *製錬が重要である/鉱産資源と国民経済 【第15回】 総括
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