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授業の内容(Course Description) |
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本講義は、マーケティング・マネジメントを世界の第一人者であるコトラーの著作を通じて学ぶことを目的としている。もう一つの目的は私達が日常普通に目にし、経験しているマーケティングの営みの背後に、どのような原理が働いているかを見つける視点から、マーケティングを理解する力を養うことを目的としている。 私達が当然のことのように思っている「同じ製品なら価格は誰に対しても同じになる」というのは本当だろうか。実は、価格が誰に対しても同じとなっている「定価」は、大量生産―大量販売―大量消費の体制の産物であって、歴史的には今からたった百数十年前ぐらいから百貨店などの販売政策によって出現して来たものに過ぎない。交換経済の歴史にあって、価格は本来「お客さん!まけとくよ」「もっと安くならない?」といった交渉によって個々人がばらばらに定めてきたものなのである。では、なぜ定価といったものが出現したのか。それにはちゃんとした原理的理由がある。このような視点をもって原理を探る形でコトラーの著作を紐解き、マーケティングを理解することをめざす講義内容となっている。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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マーケティングの諸概念を理解できるようになること、および、市場で展開されている諸現象を原理的、理論的に説明することができるようになること。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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平常点および課題リポート点。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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コトラー&ケラー、恩蔵直人監修、月谷真紀訳『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント(第12版)』(ハードカバー)(ピアソン・エデュケーション) 近藤隆雄『サービス・マーケティング』(生産性出版)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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ともかく何冊ものマーケティング関係の文献を読むこと。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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マーケティングへの興味は、今日の企業経営にあって重要視されている役立つ知識の獲得という動機によること多いと思うが、大学院で学ぶべきことは理論や原理的知識であることを忘れないでほしい。たえず「WHY(なぜ)」の問いを発してテキストに語られていることの根拠や理由を求める姿勢を持って臨んでほしい。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 バリュー・ネットワークおよびチャネルの設計と管理 【第2回】 小売業,卸売業,ロジスティクスのマネジメント 【第3回】 統合型マーケティング・コミュニケーションの設計とマネジメント 【第4回】 マス・コミュニケーションのマネジメント:広告,販売促進,イベント,パブリック・リレーションズ 【第5回】 人的コミュニケーションの管理:ダイレクト・マーケティングと人的販売 【第6回】 新製品の開発 【第7回】 グローバル市場への進出 【第8回】 ホリスティック・マーケティング組織のマネジメント コトラーの著作読了 【第9回】 近藤『サービス・マーケティング』サービスマーケティングへの招待,サービス化社会の到来 【第10回】 商品としてのサービス,サービス商品の特徴 【第11回】 サービス・プロダクトとモノ・プロダクト,サービスの達人 【第12回】 真実の瞬間とは何か,サービスの分類と構成要素 【第13回】 サービスの品質,顧客価値の実現とサービス組織 【第14回】 サービス・マーケティング・ミックス,サービスマネジメント・システム 【第15回】 サービス・プロフィット・チェーン,21世紀のサービス・マーケティング
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