Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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環境マネジメント論特講 II 澤山 弘
選択  2単位
【経営学専攻】 12-1-1120-3067-06

1. 授業の内容(Course Description)
 春期講義で概説したとおり、地球温暖化対策は、解決が求められる喫緊の課題ではありますが、同時に実に様々なビジネスチャンスも提供しており、政府の「新成長戦略」では、「グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略」として、その筆頭に掲げられています。
 「環境ビジネス」の領域は幅広く、先端的な技術開発が求められている分野もありますが、私たちの身近な生活に密着した分野での起業機会も少なくありません。秋期講義では、「環境ビジネス」のそれぞれの分野について、技術的な動向や市場環境などについて概説するとともに、実際に取り組んでいる企業や事業体の事例を、様々な企業実査をもとに具体的に紹介していきます。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 この講義では、地球環境問題の解決を目指す環境ビジネスについて、様々な取り組みの実際を理解することを目標としています。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席:50点、積極的な質問や発言を高く評価します。
 レポート提出:50点、秋期講義の範囲内で、各自関心を持った領域について、レポートを発表してもらいます。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 今現在、世界と日本で起きていることを逐次説明していくために、毎回、図表を中心とした資料を配布します。講義の進展に合わせ、関連する分野について、参考文献や拙著(「地球温暖化対策と環境ビジネス」(仮題))を適宜紹介していきます。
 対象によっては、現場のスライド写真や、企業パンフレット、製品実物なども紹介します。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 「環境ビジネス」に関する新聞記事は毎日のように紙面を賑わしています。テレビの報道なども含め、できるだけ見るようにしてください。この授業を通じて、だんだん理解が深まってくるはずです。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 「環境ビジネス」は、これから大きく成長していきます。特に留学生の皆さんの母国には、より多くのビジネスチャンスが待っていると思います。求められる分野は技術系だけではありませんので、皆さんの将来の職業の選択肢の一つとして捉えることも可能だと思います。自らの問題として、どのように捉えていったらよいのか考えていってください。
 なお、秋期講義は、春期講義で概説する地球環境問題に関するマクロ的な理解を前提にしていますので、必ずⅠとⅡを通して受講してください。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 春期の振り返りと秋期のオリエンテーション
【第2回】
 「循環型社会形成」とリサイクル産業 -3R、容器包装や食品廃棄物の利活用など
【第3回】
 バイオマス資源の利活用 -バイオマスが「カーボンニュートラル」な理由、
  もっと使われてよい木質バイオマス燃料(ペレットボイラーなど)
【第4回】
 「バイオマスタウン」構想 -全国300市町村で実現、
  食品廃棄物などをメタン発酵させて発電や熱に利用、飼料や肥料にも
【第5回】
 バイオエタノール生産の可能性 
  -アメリカとブラジルで急成長、非食用作物からの製造技術の開発競争へ
【第6回】
 軽油を代替できるBDF(バイオディーゼル燃料)
  -EUで急伸、日本でも廃食油からリサイクル
【第7回】
 自然エネルギーの王者、風力発電 -欧州に続き、中国、米国で急拡大
【第8回】
 小水力発電 -小規模でも設備利用率は高い新エネルギー
【第9回】
 熱気高まる太陽光発電の設置競争 -全量固定価格買取制度の開始に期待
【第10回】
 省エネ住宅に求められるもの(1)
  -高気密・高断熱、「住宅エコポイント」制度で人気に
【第11回】
 省エネ住宅に求められるもの(2)
  -エネルギー効率が太陽光の数倍に達する太陽熱利用システム
【第12回】
 省エネ住宅に求められるもの(3)
  -年中15℃前後の地中熱の利用とヒートポンプ、雪氷冷熱利用
【第13回】
 家庭用燃料電池(エネファーム)と燃料電池車 
  -大震災後、非常用電源としても脚光
【第14回】
 電気自動車(HV、PHV、 EV)とスマートグリッド 
  -スマートハウスで融合(V2H:Vehicle to Home)
【第15回】
 秋期のまとめ