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授業の内容(Course Description) |
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経営史(ビジネス・ヒストリー)はアメリカの名門ハーバード大学で1930年に開講されたとされ、法学や経済学と比較すると比較的若い学問である。現在のような企業体制が形成されるのは、18世紀中葉に始まるイギリス産業革命以降であり、経営史の研究対象となる期間はたかだか200年にすぎない。その間、ある同時代のある産業において全く同じ環境にありながら、たとえば、なぜA企業が生き残り、B企業が敗退消滅していき、また無謀と思われた新規参入のC企業がなぜ大成功を収めたのか・・・・ これらを時代ごとに追跡して、経営者の意思決定を巡るさまざまな事例を時系列的にみていく。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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ことわざに「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という。経営史を専攻することによって、学生諸君に歴史観・大局観を持ってものを見ることを学び、多様な思考回路・方法があることを知ってもらいたい。そのことによって、新しい局面に直面した際、自身(就職した自社)が居る現在を大きな時間軸の流れの中の一地点において客観的に眺め直すことが可能になる。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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授業中に行う2回の小テストの合計で評価する。小テストは、授業の理解度を深める目的をもって6~7回目に1回、15回目(学期最終回)に1回行う。点数配分は、それぞれ35点ずつとし、残り30点は出席点とする。小テストの実施日は、授業中に予め発表する。 出欠は、授業開始時刻から15分で締め切るので、遅刻をしないように留意してほしい。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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大河内暁男『経営史講義[第2版]』東京大学出版会、2001年
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業中に出てくる企業名について、マスコミでどうのように報道されているかを興味をもって追跡すること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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後期の経営史IIを続けて履修することを薦めたい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 授業の進め方と、近世以降の世界歴史の復習 【第2回】 近世以降の世界歴史と日本歴史の復習 【第3回】 近世以降の世界と日本の企業経営史の鳥瞰 【第4回】 技術革新と経済発展、企業発展の相関関係 【第5回】 交通・通信の発達がもたらす国土・市場の拡大 【第6回】 イギリス産業革命と近代企業原型の形成 【第7回】 イギリス企業経営者(世界初の経営者)の特性 【第8回】 1851年ロンドン大博覧会とアメリカの台頭 【第9回】 アメリカにおける互換性部品の発明と大量生産方式の採用 【第10回】 アメリカ大陸横断鉄道の開通と広がる国内市場 【第11回】 アメリカ企業経営者の特性 【第12回】 アメリカにおけるビッグビジネス(1)石油精製業ロックフェラー 【第13回】 アメリカにおけるビッグビジネス(2)金融業モルガン 【第14回】 アメリカにおけるビッグビジネス(3)製鉄業カーネギィ 【第15回】 まとめと最終テスト
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