Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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観光資源論B 白坂  蕃
選択必修  2単位
【観光経営】 12-1-1130-1852-08

1. 授業の内容(Course Description)
 産業における「資源」とは、生産活動のもとになる有形無形の必要物をさす。いわゆる観光産業では他産業ではまったく経済的価値を生まない資源や景観、たとえばなんの変哲もない砂浜、絶海の孤島、人里離れた小さな集落なども観光資源となることもある。
 一方、ほかの産業では他の目的で占有されている土地や空間は使用できないが、観光では歴史的建造物はもちろんのこと、農場、工場、古い町並みなど、すでに使用されている土地や空間を活用することもある。ただし、それらを実際に観光資源として活用するためには、「ひとに認知(gaze)される」必要がある。それに加えて、観光地として発展するためには交通・宿泊などのもろもろのサービスが整備されなければならない。
 この講義では、日本におけるスキー場の開発過程とその経営をたどりながら、観光資源とは何かを広く把握する。さらには「観光者」が求める観光の意味が時代とともに変遷し、現代社会における観光の意義と重要性を考える。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 観光資源論A・Bを通して、観光資源や観光産業の特性を論じつつ、観光を分析する基本的視点を把握する。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 評価は出席状況と期末試験で判定する。なお4回以上欠席した場合はその時点で不合格とする。2回の遅刻は1回の欠席として扱う。試験にはノートのみの持ち込みを可とするが、コピーしたノートは不可である。試験は15回目のまとめと評価の時間に実施する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 とくには指定しないが、講義中にプリント資料を配付する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 予習と復習に役立てるために、また受講生が講義の内容の理解を深め、知識を整理するために以下の書物の講読を薦める。
・岡本伸之編(2001):『観光学入門』 有斐閣, 370p.
・神崎宣武編(2005):『文明としてのツーリズム』 人文書館, 301p.
・山下晋司(2007):『観光文化学』 新曜社, 332p.
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 講義の流れは概ね以下の通りであるが、進行状況によっては変更することがある。
 観光資源論AおよびBはそれぞれ独立した単位ではあるが、その内容は相互に補完しあうので、できる限りAおよびBを通年で履修することを薦める。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 観光資源とはなにか? その1
【第2回】
 観光資源とはなにか? その2
【第3回】
 観光資源としてのスキー場の開発 その1
【第4回】
 観光資源としてのスキー場の開発 その2
【第5回】
 観光資源としてのスキー場の開発 その3
【第6回】
 観光資源としてのスキー場の開発 その4
【第7回】
 観光資源としてのスキー場の開発 その5
【第8回】
 観光資源としてのスキー場の開発 その6
【第9回】
 観光地としてのリゾート
【第10回】
 日本にリゾートはあるのか? −日本のリゾートとリゾート法−
【第11回】
 フランスLanguedoc-Roussillon地域におけるリゾート開発
【第12回】
 観光資源と外国人観光客
【第13回】
 観光資源としての富士山の環境と価値
【第14回】
 観光の新しい潮流.
【第15回】
 まとめと試験