Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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観光政策・行政論A 松本  修
選択必修  2単位
【観光経営】 12-1-1130-2713-07

1. 授業の内容(Course Description)
 観光は人間の基本的な欲求に基づく活動と言われる。その意味では、観光は、その時々の国の政策によって存立するものではない。しかし、同時に、観光やこれに関連する活動が、国の政策によって一定の秩序と方向付けを与えられていることも、また、現実である。
 特に最近では、我が国を取り巻く情勢の変化の中で、国は観光を今後の我が国の経済・社会の牽引力の一つとして捉え、「観光立国の実現」の旗印の下に、関係法制の整備をはじめ、諸々の施策を精力的に展開している。これが、我が国の観光及びそれに関連する活動に影響を与えつつあることは諸君もご存知のとおりである。
 この授業においては、観光に係る政策や、それの具現化である制度、さらには制度の運用、そしてこれらの背景にある行政の動き等につき、可能な限り広く見ていくことにより、観光がどのような枠組みの中で行われているかについての理解を促進することとする。
 なお、観光は、計画・手配、移動、宿泊、食事、現地での諸活動(見物、見学、探究、体験、交流、保養、買い物その他)等々、個々のものを捉えれば必ずしも観光の概念に収まりきらない諸々の活動によって成り立っている。そして、これらの活動やそれに対応するサービスに対して、必ずしも観光だけの見地からでなく、それぞれの分野の性質に応じた政策・制度が展開され、結果的に観光に影響を及ぼしている。このことは観光の対象となる自然環境、文化財等の観光資源についても同様である。この意味で、この授業は、観光そのものを捉えた政策・制度以外に、このような観光の要素をなす諸活動や観光資源に関する政策・制度をも含めた広い意味での観光政策・制度を対象とする。
 観光を取り巻く政策・制度のあらましを学び、今後さらにこの方面での知識、理解を深めていくための基礎を作ることは、特に、観光に関する実務に携わっていこうとする人々にとって有益である。また、今後観光に携わらない諸君にとっても、観光という切り口から、政府の政策・制度について考え、理解していく糸口を得ることは、やはり意味があると考える。
 授業のやり方としては、諸君に生の法令に触れていただくことが多いであろうと思っている。政策を具現化するための主要な手段の一つが制度であり、制度を成文化したものが法令である。したがって、法令は政策の一部を成文化したものと言える。もちろん法令が政策の全てではないが、政策を客観的に理解していく上で、法令は便利な手がかりである。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 観光に係る政策や、それの具現化である制度、さらには制度の運用の状況、そしてこれらの背景にある行政の動き等につき、基本的な知識と理解を得ること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 成績は期末定期試験の結果により評価する。いわゆる「出席点」はない。
 期末定期試験においては、主として、授業の中で述べたことや、配布したプリントの内容等に関連した出題をし、授業内容の日頃の反芻(はんすう)の度合いや理解度を見させていただく。
 なお、授業中の私語等、授業の妨げとなる態度の目立つ学生は、評価を下げる。
 また、期末定期試験の受験は必須であり、これを受験しない場合は、R評価となるのでご注意願いたい。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:特に指定しない。適宜プリントを配布する。
 参考文献:寺前秀一 著『観光政策・制度入門』ぎょうせい
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 何よりも予習・復習が基本である。特に復習は、授業終了後、記憶が新しいうちに授業内容のポイントを頭の中で整理するようにする。そのためには、走り書きしたノートについて、後で見ても読めるように乱暴な字を書き直したり、ポイントを要約して付記したりする等の整理を行うことも一法である。また、復習の中で、興味を感じた点等につき調べることも自らの勉学方法の確立と理解の深化のために良い。
 復習を溜めてしまうと、記憶が薄れ、かつ、分量がいつの間にか膨大になってしまい、試験の前に苦労するので注意すること。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 (1)上で述べたように、この授業では、生の法令に触れていただくことが多いと考えている。これは、担当教員が前年度(平成23年度)まで「観光関連法規」という授業を担当していたこととの関連もある。「観光関連法規」では、単なる法令の解説に止まらず、法令を手がかりとして、背後にある政策等の説明も行っており、実質的には、観光政策・行政論であった。このような事情から、この授業は、「観光関連法規」の授業と重複するところが多々ある可能性がある。その意味で、既に担当教員(松本)の「観光関連法規」を受講した学生は、そのことを念頭に置いて履修選択をしていただきたい。
 (2)上記「成績評価方法」で出席点はないとしているが、諸君がいかに授業に出席し、真剣に講義を聴いたかは、期末定期試験の結果に表れる。その意味で、期末定期試験の結果が、「実質的な出席点」である。この点をよくご理解願いたい。
 (3)前期の「観光政策・行政論A」と後期の「観光政策・行政論B」とは、ひと続きのものであり、可能な限り両方の講義を通して受講されることをお勧めする。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
 授業開始後の状況に応じて適宜、計画を変更することがあり得る。
【第1回】
 授業方針及び講義計画
【第2回】
 観光政策の変遷
【第3回】
 行政組織と観光関連法令の概観
【第4回】~【第6回】
 観光立国
【第7回】~【第12回】
 観光振興
【第13回】~【第15回】
 外客誘致