1. |
授業の内容(Course Description) |
|
20世紀後半、米国は世界唯一の超大国として国際社会において大きい影響力を持つに至った。2001年9月11日、米国を標的とした同時多発テロがあり、国連安保理はテログループのアルカーイダが根拠地としていたアフガニスタンに対する武力行使決議を採択した。さらに、当時のブッシュ政権は、フセイン大統領下のイラクが大量兵器を開発しているとの誤った情報に基づき、英国と共に多国籍軍を募ってイラク戦争を行いフセイン政権を打倒して民主政体を樹立した。しかし、イラクの民主化と安定化には多大の人的損耗、費用、時間を必要とした。また、サブプライム・ローンに端を発する未曾有の米国発金融信用危機は世界に波及した。長引くイラク戦争と経済危機の二重苦に悩んだ米国は、米国を「変える」と手を挙げた初の黒人大統領、バラク・オバマをホワイトハウスに送り込んだ。果たしてオバマ政権は米国を危機から救えるのであろうか。米国の活力の源は、短い期間に国民がそこに築き上げた政治と経済のシステム、およびそれが可能にした外交と科学技術と軍事の力にある。「政治学C」の講義では、簡単な建国の歴史、民主主義を基調にした憲法、大統領制度、議会制度、司法制度、政策決定プロセスなど、「米国の政治システム」に関する基礎的な知識を整理したものである。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
米国の歴史に関しては、とくに独立戦争・南北戦争・奴隷解放・西部開発について、米国の政治システムに関しては、大統領選挙制度・議会制度・二大政党制・司法制度・三権分立・政策決定システムに関する基礎的事項について、それぞれの概要を習得させ、新聞やテレビで紹介される米国で現実に起きている政治事象の背景を理解できるようにする。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
授業への参加度を重視する。小テスト・期末試験の成績を総合的に評価する。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
参考書 志方俊之著『無防備列島』(海竜社) 参考書 志方俊之著『日本はこのままでは生き残れない』(PHP研究所)
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
当日の授業計画に示された項目の予備知識をインターネットで調査し、最低限のキーワードについて予習しておくこと。および当日の授業で筆記をさせた内容については、次回までに整理しておくこと。
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
出席率を最重視する。講義中、不定期にワンポイント・テストを行う。「政治学C」を受講した者は、なるべく秋期に「政治学D」を受講することを希望する。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
以下の項目を、ほぼ1週間に一つのペースで進める。 【第1回】 アメリカの政治史概観1(移住、殖民、独立までのアメリカ政治の変化) 【第2回】 アメリカの政治史概観2(国家建設着手から現代までのアメリカ政治の変化) 【第3回】 アメリカの憲法(内容と特性、三権分立) 【第4回】 アメリカの大統領制度(歴代大統領の功績) 【第5回】 アメリカの大統領制度(選出システムと権限) 【第6回】 アメリカの議会制度(上院のシステム) 【第7回】 アメリカの議会制度(下院のシステム) 【第8回】 アメリカの司法制度(中央と地方との関係) 【第9回】 アメリカの安全保障政策(国防省の役割について) 【第10回】 アメリカの外交政策(国務省の役割について) 【第11回】 アメリカの新保守主義(いわゆるネオコンについて) 【第12回】 単独主義に走るアメリカ(イラク戦争について) 【第13回】 アメリカと国際連合との関係(国際協調とアメリカの国益) 【第14回】 アメリカの将来(アメリカは何処へ行くのか) 【第15回】 まとめ
|