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授業の内容(Course Description) |
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平成22年にわが国はGDP世界第2位の座を中国に明け渡した。他の新興国も経済発展している。昨年の大震災の影響もあってわが国の国際収支は悪化している。わが国は、いわば過去の蓄積を取り崩している状態である。人口の減少に直面する日本が存在感を示し続けるためには、国民一人ひとりが創意工夫し『起業』の精神をもつことが必要である。
平成17年に制定された会社法は、最低資本金制度を撤廃し、合同会社という形態の会社を認める等、『起業』を助成する側面をもつ。法律を学ぶ学生は、守りの姿勢に終始することなく、進取の精神に基づいてわが国を発展させて頂きたい。
また、大多数の学生は、卒業後企業に勤務し、株主総会や取締役会の運営に携わり、決算実務を担当し、時には関連会社を設立する等の機会に遭遇するであろう。これらの職務の基準は会社法に規定される。詳細は必要とされる時に見直すとしても、大学で大筋の考え方を学んでおけば、落ち着いてことに当たることができるであろう。
会社法はビジネスのインフラであり、その学習は将来ビジネスに携わる者にとって必要不可欠である。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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会社法の各規定の目的と仕組みの概略を理解することが第一の目標で、事例をみて適用条文を思い浮かべられることが第二の目標である。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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8回目の講義(6月上旬)時間中に中間テスト(小テスト)及び14回目又は15回目の講義(7月)時間中に期末テストを実施し、その両テストの成績を中心に出席状況を勘案して総合的に判断する。具体的な評価方法は、開講後早い時期に講義で説明する。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:神田 秀樹『会社法』弘文堂
参考文献:江頭・岩原・神作・藤田 編『会社法判例百選』(別冊ジュリスト)有斐閣
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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テキストの該当箇所を予習し、受講後は配布資料とともに復習する。中間テスト及び期末テストの前に試験範囲内を復習する。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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講義中にテキストの該当ページと条文を確認するので、必ずテキストと『六法』を持参すること。『六法』は、テストの際にこれのみ「持込み可」とするので、絶対に必要である。
講義中の入退室と私語は、講義の進行と他の学生の聴講の妨げとなるので、厳に慎むこと。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】
種々の事業形態
【第2回】
商法と会社法
【第3回】
株式会社の特質
【第4回】
会社法による株式会社の機関設計
【第5回】~【第7回】
会社の設立
【第8回】
発起人等の責任及び設立無効
【第9回】・【第10回】
株式の意義と種類
【第11回】
株式の消却・分割・無償割当て及び単元株制度
【第12回】
株式の譲渡
【第13回】
譲渡制限株式の譲渡承認手続
【第14回】
自己株式の取得
【第15回】
春学期のまとめ
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