Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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経済法特講A 鞠子 公男
選択  2単位
【法律】 12-1-1210-0685-07

1. 授業の内容(Course Description)
 本講義では欧州の経済に関連する法律を採りあげる。昨今、「ユーロ危機」という言葉は連日のように新聞でみかける。「ユーロ」は欧州連合(EU)の共通通貨である。欧州連合(EU)には現在欧州27カ国が加盟しており、そのうちの17カ国が、共通通貨「ユーロ」を使用している。27の加盟国は主として経済・通商に関する自国の主権を、そのうちの17の加盟国は通貨に関する主権も合わせて、条約で欧州連合(EU)に委譲している。そのため、経済・通商に関しては加盟国ではなく欧州連合(EU)が主権を行使することができ、あたかも一つの国のようである。そのうちの17の加盟国は、通貨に関しても深く結びついている。
 以上からも判るように欧州連合(EU)の法律は実体面では経済・通商・通貨に関する法律を中心として、それを実施する組織、手続等を定めた法律からなる。この講義は、経済法特講A及びBを通して、欧州連合(EU)の通貨制度を支える法及び経済政策の骨格をなす市場統合・競争法の実例を解説しようとするものである。競争法の領域では、近年わが国企業が高額の制裁金を課される例が多いので、関連する判例を重点的に採りあげたい。
 そのためには欧州連合(EU)の概要を理解する必要があるので、「経済法特講A」では、欧州連合(EU)の沿革、制度、「ユーロ危機」等の時事問題の解説を中心に講義を行う。法律以外に関心をもつ学生の受講も歓迎する。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 経済法特講Aでは、国際機関が連邦国家に近づいていくプロセスを、歴史的又は地理的な視点をもって学び、欧州連合の主要な制度を理解する。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 第15回講義時に期末テストを実施し、その成績に出席状況を勘案して評価する。テストは、受講者が最も関心をもつ事項について所定時間内に1000字程度で要約する形式とする。テーマは本学期の講義の範囲内であれば別段の制限を設けないので、日頃より興味のある事項を掘り下げて勉強することが望まれる。但し、資料の持込みは不可。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:藤井良広『EUの知識』日本経済新聞出版社
 その他、プリント等の資料を適宜配布する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 テキスト及び配布資料を通読すること。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 アジアでも将来的には地域統合が生じる可能性があるから、身近なものと考えて勉強して下さい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 講義の進め方
【第2回】
 欧州連合(EU)の概要
【第3回】
 欧州連合(EU)条約の目的
【第4回】
 歴史及び地理的背景
【第5回】
 欧州石炭鉄鋼共同体から欧州連合への展開
【第6回】・【第7回】
 機関
【第8回】
 EUと加盟国の関係
【第9回】
 法源と裁判制度
【第10回】・【第11回】
 ユーロ危機の背景
【第12回】~【第14回】
 地域統合の展望
【第15回】
 まとめとテスト