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授業の内容(Course Description) |
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経済のグローバル化、技術革新の進展、規制改革の推進などを背景として、独占禁止法の運用を中心とする競争政策の重要性が高まってきています。経済法Bでは、経済法Aの既修者を対象として、競争政策の現代的課題について検討します。 具体的には、①独占禁止法のエンフォースメント、②企業の国際的活動と競争政策、③知的財産権と競争政策、④規制分野と競争政策、⑤企業におけるコンプライアンスについて、公取委や欧米の競争当局の取組みや関連法制の動向なども解説しながら、経済法の現代的課題に対処するためのへの視点・方策を学びます。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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競争法は経済憲法とも言われますが、経済の変化に対応して新たな問題・課題が発生しています。基本的考え方を維持しつつ、新たな問題・課題に対してどのような視点で対処してきたかを学び、問題解決のために思考できることを目標とします。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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期末試験を中心に、授業内の小テストなどの平常点を勘案して、総合的に評価します。期末試験のウエイトが60%、小テストなどの平常点のウエイトが40%。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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講義概要をまとめたプリントを事前に配布し、また、必要に応じて資料(公取委の報道用資料など)を用意することにしています。 特に教科書は指定しませんが、川浜ほか『ベーシック経済法(第3版)』(有斐閣)は有用です。また、公取委のホームページには公表資料や海外の競争法とその運用状況など多様な資料が掲載されており、これを参照することを薦めます。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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配布したプリント・参考書を一読してきてください。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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公取委での実務経験に基づき実際に論点となりやすい問題を提示しながら、授業を進めます。受講生は、授業だけでなく、新聞報道などにより最新の競争政策の動向を把握するように努めてください。また、講師の説明に質問や意見があれば、積極的に出していただきたい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション(授業の計画や成績評価など)、競争政策の現代的課題 【第2回】 独占禁止法のエンフォースメントの強化(行政措置、刑事罰、民事責任) 【第3回】 課徴金と課徴金減免制度 【第4回】 独占禁止法のエンフォースメント(カルテルの審査実務) 【第5回】 企業の国際的活動と競争政策(米国における競争法の展開) 【第6回】 企業の国際的活動と競争政策(EUにおける競争法の展開) 【第7回】 企業の国際的活動と競争政策(日米欧の競争法の比較) 【第8回】 企業の国際的活動と競争政策(競争法の域外適用と執行協力、貿易と競争政策) 【第9回】 知的財産権と競争政策(知的財産権保護制度と競争政策の相互関係、独占禁止法21条と知財ガイドライン) 【第10回】 知的財産権と競争政策(知的財産権に関連する違反事例) 【第11回】 知的財産権と競争政策(新しい問題) 【第12回】 規制分野と競争政策(規制緩和と競争法の関係、運輸分野) 【第13回】 規制分野と競争政策(公益事業分野) 【第14回】 最近における競争政策の展開と企業におけるコンプライアンス 【第15回】 まとめと試験
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