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授業の内容(Course Description) |
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不法行為は、加害者の故意・過失を前提とする一般不法行為(民法第709条)と、過失責任の原則を修正している特殊不法行為に大別されます。特殊不法行為は、使用者責任や工作物責任など民法で規定されているだけでなく、交通事故、製造物、環境などの分野でさまざまな身体・生命侵害が発生し、現代型の不法行為として特別法で扱われることも多く、特別法の役割が大きくなっています。 本講義では、一般不法行為法に引き続き、民法の規定する類型のほか、特別法による不法行為責任として、自動車運行責任、製造物責任などについて解説し、民法の原則がどのように修正されているかについて学びます。 また、本講義では、特殊不法行為法と併せて、契約・不法行為以外の債権発生原因である事務管理、不当利得についても解説します。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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特殊不法行為法の全体像、特に過失責任から中間責任・無過失責任への流れを理解し、また、財産法秩序を補完する機能を果たす不当利得法について理解することを目標とします。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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期末試験を中心に、授業内の小テストなどの平常点を勘案して、総合的に評価します。期末試験のウエイトが60%、小テストなどの平常点が40%。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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講義概要をまとめたプリントを事前に配布し、また、必要に応じて参考資料を用意することにしています。 特に教科書は指定しませんが、内田貴『民法 II 債権各論(第2版)』(東京大学出版会)は、分かりやすさを重視した教科書であり、また、『民法判例百選 II 債権 第6版』(別冊ジュリスト176号2005)も有用です。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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配布したプリント・参考書を一読してきてください。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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授業に出席して、積極的に取り組むことを期待します。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 イントロダクション(授業計画・成績評価など)、特殊不法行為法のポイント 【第2回】 不法行為法の展開 【第3回】 責任無能力者の監督者の責任 【第4回】 使用者責任、注文者の責任 【第5回】 自賠法(自動車運行責任)、国賠法(公権力の行使) 【第6回】 工作物責任、動物占有者の責任 【第7回】 製造物責任法(製造物責任)、国賠法(公の営造物) 【第8回】 共同不法行為とは何か(共同不法行為の類型) 【第9回】 共同不法行為の要件と応用事例 【第10回】 特殊不法行為法のまとめと事務管理 【第11回】 不当利得の意義とその類型 事務管理 【第12回】 不当利得の要件 【第13回】 不当利得の効果 【第14回】 特殊の不当利得(不法原因給付など) 【第15回】 まとめと試験
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