Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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日本政治史 II 辻本 甫
2群  2単位
【二群】 12-1-1210-2774-04

1. 授業の内容(Course Description)
 授業では、近代国家日本の政治の歴史をとりあげる。
 扱う時期は、日本が近代国家の形成をみていく幕末時代から、第2次大戦後に国際復帰しグローバルパワーとして歩を進める時代までの約1世紀半である。
 ところで、いかなる国の内政も国際関係と切り離して考えることはできない。
 とくにこの時期の日本の政治は、幕末における西欧との出会いから、日清、日露戦争、2つの世界大戦、敗戦、連合国による占領、独立回復などと、そのときどきの国際環境や他国とのせめぎあいと密接不可分に展開している。
 そういう国際環境の変遷とそのなかでの日本の政治体制の展開という視点からみていく予定。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 日本の近代政治についての基本的な知識を身につけたい。
 ただ受験勉強のように知識の暗記をめざすのではなく、むしろ手もとにあるいろいろな資料に各自であたりながら、この時期のそのときどきの国際環境の文脈もにらんで日本政治の流れを大きくつかんでいってもらえるようにしたい。
 なお、すでに日本の歴史について相当の興味をもっている履修学生もおられると想像する。
 そういう向きには、興味をいっそう深めてもらい、過去生起した事象の因果関係を探求する姿勢をもって「なぜ」という問いを発しながら臨んでいってもらえたら素晴らしいことと考える。
 (「歴史とは、現在と過去の対話である」、「歴史の研究は、原因の研究である。」:E.H.カー著『歴史とは何か』より)
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席を最も重視する。
 基本部分の理解について試験や小テストの実施も検討する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 『外交と権力 日本政治史』(北岡伸一:有斐閣)を基本テキストとする。
 授業ではこのテキストを基軸に、同時にテキストの理解も一層深めるべく並行してその他の文献も相当程度駆使しながら講義していく考えである。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 近代日本政治史については、膨大な数の文献も刊行されている。
 そういうなか、この履修期間中に、時間外も使って上記テキストを最初から終わりまで通読することに努め、それになれ親しんでもらうのがよいと考える。
 ただ時間外学習について留意すべきは、そのうえで欠席するようなことになるのであれば、この授業に関するかぎり、本末転倒。
 何はさておいても授業に出る。
 集中して聴く。
 授業での配布資料も参照する。
 授業あっての時間外学習。
 そう認識願いたい。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 この授業は、年間を通して考察していくことを基本にしているので前期・後期を通しで履修するよう要望する。
 授業でとりあげる内容は、多岐にわたると思われる。
 歴史上著名な人物の紹介など具体的な事例も織り交ぜて、教師と履修学生とで共に学んでいけるようにしていきたいので、授業への出席と特段の頑張りを願っている。
 授業内容は進行により変わることがありえ、その都度連絡するので常時フォローするようお願いする。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 オリエンテーション( 後期授業の開始にあたり )
【第2回】
 ワシントン体制 ロンドン海軍軍縮条約 軍部台頭 
【第3回】
 満州事変 5・15事件 国際連盟脱退 2・26事件
【第4回】
 日中戦争 国家総動員法 第2次大戦勃発 日独伊三国同盟 大政翼賛会 東亜新秩序
【第5回】
 日米関係の破局とアジア太平洋戦争への突入 連合国による第2次大戦後の世界の秩序構築の構想
【第6回】
 終戦 ソ連の北海道占領への動き 連合軍(米国の単独)対日占領 吉田ドクトリン
【第7回】
 天皇制 戦争放棄 マッカーサー憲法 占領下における改革
【第8回】
 冷戦 朝鮮戦争 日本再軍備要求
【第9回】
 サンフランシスコ講和条約 日米安全保障条約
【第10回】
 日ソ国交回復 国連加盟 所得倍増計画
【第11回】
 日米安全保障条約改定 
【第12回】
 沖縄返還
【第13回】
 日中国交回復 
【第14回】
 高度経済成長 自民党政治 アジア諸国と日本 国際紛争において果たすべき日本の責任 湾岸戦争
【第15回】
 総括 ( 「日本政治史Ⅰ、Ⅱ」の授業の終りにあたり )