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授業の内容(Course Description) |
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会社は、経済活動の主役です。そして、私たちの生活に大きく関わります。 学生の皆さんにとっては、就職して自分の生涯をかける場所になるかもしれません。自ら起業しようという人には、会社は、戦略的な道具です。また、投資家をめざす人には、会社は投資の対象となりますので、その活動状況を分析できるノウハウを知っておく必要があります。 会社の実体は、「カネとモノ」であり、株主(社員)の所有物ですが、独自の意思を持ち(社団)、権利能力を有して(法人)、「カネとモノ」を動かし利益を追求します(営利)。 このため、会社は、株主(社員)のほか、債権者、投資家(潜在的株主)、取引先、国家(全国民)など、多くの者(ステーキホールダー)の利害が交錯する場となります。 企業会計は、こうした利害関係者に対して、会社の活動状況と成果を報告する行為ですが、さまざまな利害関係者の利益を保護するため、会社法、金商法などの法律により規制されています。 「企業会計法A」(前期)及び「企業会計法B」(後期)は、主として会社法に基づき金商法等との差異にも留意しながら、会社の「カネとモノ」の支配構造や、損益の計算と分配のしくみについて、基礎レベルからできるだけわかりやすく説明します。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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「会社の利益に対する株主、投資家、債権者、税務当局の見方は、それぞれ異なる。」 この言葉の意味の理解と、「カネとモノ」の支配構造及び損益の計算・分配のしくみについての基礎知識(「授業計画」に掲げる項目)の習得。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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出席状況、小テスト(授業の中で適宜実施する)、期末レポートの総合評価
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト: 宍戸 善一 『ベーシック会社法入門(第6版)』 (日本経済新聞社)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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あらかじめテキストを読みこみ、自分なりの考え方を準備した上で、授業に参加してください。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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この授業で学ぶ、会社法、金商法、会計学、租税法等の知識は、企業への就職や公務員をめざす皆さんには必要不可欠なものばかりです。少しずつ着実に努力を積み重ねて行ってください。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 プロローグ (テキスト P1~16) ・株式会社 ・株式の役割 ・会社の組織変動 ・会社の機関 ・資金調達 ・損益計算と分配 【第2回】 企業活動と法① (テキスト P16~23) ・個人企業、組合、匿名組合、有限責任事業組合 ・法人格 【第3回】 企業活動と法② (テキスト P24~34) ・合名会社 ・合資会社 ・株式会社 【第4回】 企業活動と法③ (テキスト P24~33) ・取締役会非設置会社、 ・合同会社(LLC) ・有限責任事業組合(LLP) ・匿名組合 ・持分会社 【第5回】 企業活動と法④ (テキスト P35~40) ・利害関係者 ・会社法、金商法、法人税法 【第6回】 株式会社とは① (テキスト P41~47) ・会社の支配(ヒト) ・出資(モノ・カネ) ・上場と非上場 【第7回】 株式会社とは② (テキスト P47~54) ・会社の支配と出資の関係 ・上場会社と非上場会社 ・コーポレートガバナンス 【第8回】 株式会社の機関① (テキスト P55~60) ・多数株主、少数株主、 ・機関の分化と意思決定 【第9回】 株式会社の機関② (テキスト P60~66) ・代表取締役; 代表権 ・取締役会: 重要な業務執行、代表取締役の監督 【第10回】 株式会社の機関③ (テキスト P66~73) ・取締役会の進め方 ・取締役の選任 【第11回】 株式会社の機関④ (テキスト P73~79) ・忠実義務 ・役員報酬 ・利益相反 ・競業取引 【第12回】 株式会社の機関⑤ (テキスト P79~88) ・会社に対する責任 ・責任の制限 ・株主代表訴訟 ・第三者に対する責任 【第13回】 株式会社の機関⑥ (テキスト P88~95) ・会計監査と業務監査 ・監査役、会計監査人、監査役会、監査委員会、会計参与 【第14回】 株式会社の機関⑦ (テキスト P95~103) ・株主総会の決議 ・株主総会の進め方 ・総会決議の瑕疵を争う訴訟 【第15回】 株式会社の機関⑧ (テキスト P103~111) ・株主の権利義務 ・少数株主権 ・株主平等原則、多数決濫用法理、忠実義務違反 ・決議無効、決議取消、損害賠償
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