1. |
授業の内容(Course Description) |
|
会社は、経済活動の主役です。そして、私たちの生活に大きくかかわります。 学生の皆さんにとっては、就職して自分の生涯をかける場所になるかもしれません。自ら起業しようという人には、会社は、戦略的な道具です。また、投資家をめざす人には、会社は投資の対象となりますので、その活動状況を分析できるノウハウを知っておく必要があります。 会社の実体は、「カネとモノ」であり、株主(社員)の所有物ですが、独自の意思を持ち(社団)、権利能力を有して(法人)、「カネとモノ」を動かし利益を追求します(営利)。 このため、会社は、株主(社員)のほか、債権者、投資家(潜在的株主)、取引先、国家(全国民)など、多くの者(ステーキホールダー)の利害が交錯する場となります。 企業会計は、こうした利害関係者に対して、会社の活動状況と成果を報告する行為ですが、さまざまな利害関係者の利益を保護するため、会社法、金商法などの法律により規制されています。 「企業会計法A」(前期)及び「企業会計法B」(後期)は、主として会社法に基づき金商法等との差異にも留意しながら、会社の「カネとモノ」の支配構造や、損益の計算と分配のしくみについて、基礎レベルからできるだけわかりやすく説明します。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
「会社の利益に対する株主、投資家、債権者、税務当局の見方は、それぞれ異なる。」 この言葉の意味の理解と、「カネとモノ」の支配構造及び損益の計算と分配のしくみについての基礎知識(「授業計画」に掲げる項目)の習得。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
出席状況、小テスト(授業中適宜実施する)、期末レポートの総合評価
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
テキスト: 宍戸 善一 『ベーシック会社法入門(第6版)』 (日本経済新聞社)
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
あらかじめテキストを読みこみ、自分なりの考え方を用意した上で、授業に参加してください。
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
この授業で学ぶ、会社法、金商法、会計学、租税法等の知識は、企業への就職や公務員をめざす皆さんには必要不可欠なものばかりです。今から少しずつ着実に努力を積み重ねて行ってください。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 株式の役割① (テキスト P113~122) ・出資と支配 ・株式と資本金 ・株式の分割と併合 【第2回】 株式の役割② (テキスト P122~127) ・額面、単位株、端株 ・種類株式、自益権、共益権 【第3回】 株式の役割③ (テキスト P127~133) ・株式の譲渡・担保化 ・出資の回収、譲渡制限 【第4回】 株式の役割④ (テキスト P133~138) ・自己株式 ・証券市場、金商法 【第5回】 会社の資金調達手段① (テキスト P139~148) ・資金調達、自己資本比率 ・内部資金と外部資金 ・株式、社債、借入金 【第6回】 会社の資金調達手段② (テキスト P148~158) ・株主割当増資、公募増資、第三者割当増資 ・既存株主の保護 ・新株予約権 【第7回】 会社の資金調達手段③ (テキスト P158~163) ・社債発行 ・普通社債、転換社債、ワラント社債 ・社債発行に対する法規制 【第8回】 損益の計算と分配① (テキスト P165~168) ・利益処分をめぐる利害対立 【第9回】 損益の計算と分配② (テキスト P168~176) ・貸借対照表と損益計算書 ・企業会計と会社法 【第10回】 損益の計算と分配③ (テキスト P176~182) ・株主への利益還元 ・配当政策 【第11回】 損益の計算と分配④ (テキスト P182~187) ・損失の処理と倒産対策 【第12回】 会社の組織変動① (テキスト P189~197) ・会社の設立 【第13回】 会社の組織変動② (テキスト P197~202) ・法人格の取得 ・会社の解散、清算 【第14回】 会社の組織変動③ (テキスト P202~207) ・合併 ・事業譲渡 【第15回】 会社の組織変動④ (テキスト P207~215) ・会社分割、分社 ・株式交換、株式移転 ・親子会社法制
|