Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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税法B
(税法)
上條 克彦
選択  2単位
【法律】 12-1-1210-3072-06

1. 授業の内容(Course Description)
 ヒトが二人以上集まって一緒に生活をすれば、必ず「税」が生まれます。
 「税」は、共同生活を支えるためにメンバーが負担する「義務」です。 
 たとえば、「火」を発見した旧石器時代でも、「火を絶やさないようにするための見張り」が必要だったでしょうし、この「役務」は、「税」の原始形態といえます。
 どんな人も、共同体に身を置く限り、「税」から逃げることはできません。
 近代社会では、市場経済の下で、「役務」でなく「金銭」で税を負担し、その額は、「共同体の意思」すなわち「法律」で決まります(租税法律主義)。
 「税法B」では、この税を決める法律=「租税法」について、基礎レベルからわかりやすく説明します。
 「税法A」では、主として所得税、相続税・贈与税、消費税について学びましたが、「税法B」では、法人税、その他の国税、地方税などについて学びます。
 「租税法」は、憲法や民法、会社法、経済学、財政学、会計学など、他の分野と深くかかわる総合科目ですので、皆さんは、「租税法」を学ぶ過程で、これらの他の分野の知識を総復習し、実戦的知識にすることができます。
 これらは、将来公務員をめざすひとはもちろんのこと、民間企業をめざすひとでも、ぜひとも身に着けておく必要があるものばかりですので、皆さんの将来設計と準備に役立てていただきたいと思います。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 「授業の計画」に掲げる項目の理解
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 授業への出席、小テスト(授業で適宜実施する)、期末レポートの総合評価
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:毎回レジュメを配付します。
 参考文献:
  ① 川田剛『租税法入門(七訂版)』(財団法人大蔵財務協会)
  ② 国税庁の職員研修機関「税務大学校」で使用されているテキスト:『税法入門』(国税庁ホームページで公開されています。)
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 どんなひとでも、他人から聞いただけの知識はすぐに忘れてしまうものです。授業で聞いた知識は、その日のうちに、10分程度でもいいからもう一度復習し、記憶を定着させたうえで、次の授業に臨むという「積み重ね」が重要です。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 この授業で学ぶ、租税法、会社法、会計学などの知識は、公務員をめざすひとはもちろんのこと、民間企業をめざすひとでも、ぜひとも身に着けておく必要があるものばかりです。
 困難な局面にあって最終的に自分を助けてくれるのは、日ごろから少しずつ確実に身に着けた知識だけです。
 あせらず、くじけず、あきらめず、しっかり取り組みましょう。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 法人税① 法人税の特質 
  ・法人税と所得税の関係
  ・法人所得と企業会計の関係
  ・法人税の国際的調和
【第2回】
 法人税② 納税義務者
  ・会社法の復習
  ・内国法人と外国法人
  ・普通法人、協同組合、公益法人、人格のない社団、公共法人
【第3回】
 法人税③ 課税対象と課税標準
  ・会計学の復習
【第4回】
 法人税④ 課税対象と課税標準
  ・益金と損金
  ・公正妥当な会計処理の基準
  ・申告調整と決算調整
【第5回】
 法人税⑤ 別段の定め①
  ・受取配当の益金不算入
  ・資産の評価益・評価損
  ・引当金、準備金
  ・減価償却   
【第6回】
 法人税⑥ 別段の定め②
  ・役員給与
  ・寄付金
  ・交際費
【第7回】
 法人税⑦ 税額計算と申告納付
  ・税額計算
  ・申告と納付・還付
【第8回】
 国際課税①
  ・居住者、非居住者
  ・内国法人、外国法人
  ・外国税額控除
  ・租税条約
【第9回】
 国際課税②
  ・タックスヘイブン
  ・移転価格
【第10回】
 国際課税③ 
  ・過少資本税制
  ・租税回避スキーム
【第11回】
 相続税
【第12回】
 贈与税
【第13回】
 租税の確定① 
  ・納税義務の成立と確定
  ・納税申告
【第14回】
 租税の確定②  
  ・課税庁による確定
  ・附帯税、罰則
  ・税務調査
【第15回】
 徴収 
  ・納付と徴収