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授業の内容(Course Description) |
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ヒトが二人以上集まって一緒に生活をすれば、必ず「税」が生まれます。 「税」は、共同生活を支えるためにメンバーが負担する「義務」です。 たとえば、「火」を発見した旧石器時代でも、「火を絶やさないようにするための見張り」が必要だったでしょうし、この「役務」は、「税」の原始形態といえます。 どんな人も、共同体に身を置く限り、「税」から逃げることはできません。 近代社会では、市場経済の下で、「役務」でなく「金銭」で税を負担し、その額は、「共同体の意思」すなわち「法律」で決まります(租税法律主義)。 「税法B」では、この税を決める法律=「租税法」について、基礎レベルからわかりやすく説明します。 「税法A」では、主として所得税、相続税・贈与税、消費税について学びましたが、「税法B」では、法人税、その他の国税、地方税などについて学びます。 「租税法」は、憲法や民法、会社法、経済学、財政学、会計学など、他の分野と深くかかわる総合科目ですので、皆さんは、「租税法」を学ぶ過程で、これらの他の分野の知識を総復習し、実戦的知識にすることができます。 これらは、将来公務員をめざすひとはもちろんのこと、民間企業をめざすひとでも、ぜひとも身に着けておく必要があるものばかりですので、皆さんの将来設計と準備に役立てていただきたいと思います。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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「授業の計画」に掲げる項目の理解
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成績評価方法(Grading Policy) |
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授業への出席、小テスト(授業で適宜実施する)、期末レポートの総合評価
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:毎回レジュメを配付します。 参考文献: ① 川田剛『租税法入門(七訂版)』(財団法人大蔵財務協会) ② 国税庁の職員研修機関「税務大学校」で使用されているテキスト:『税法入門』(国税庁ホームページで公開されています。)
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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どんなひとでも、他人から聞いただけの知識はすぐに忘れてしまうものです。授業で聞いた知識は、その日のうちに、10分程度でもいいからもう一度復習し、記憶を定着させたうえで、次の授業に臨むという「積み重ね」が重要です。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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この授業で学ぶ、租税法、会社法、会計学などの知識は、公務員をめざすひとはもちろんのこと、民間企業をめざすひとでも、ぜひとも身に着けておく必要があるものばかりです。 困難な局面にあって最終的に自分を助けてくれるのは、日ごろから少しずつ確実に身に着けた知識だけです。 あせらず、くじけず、あきらめず、しっかり取り組みましょう。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 法人税① 法人税の特質 ・法人税と所得税の関係 ・法人所得と企業会計の関係 ・法人税の国際的調和 【第2回】 法人税② 納税義務者 ・会社法の復習 ・内国法人と外国法人 ・普通法人、協同組合、公益法人、人格のない社団、公共法人 【第3回】 法人税③ 課税対象と課税標準 ・会計学の復習 【第4回】 法人税④ 課税対象と課税標準 ・益金と損金 ・公正妥当な会計処理の基準 ・申告調整と決算調整 【第5回】 法人税⑤ 別段の定め① ・受取配当の益金不算入 ・資産の評価益・評価損 ・引当金、準備金 ・減価償却 【第6回】 法人税⑥ 別段の定め② ・役員給与 ・寄付金 ・交際費 【第7回】 法人税⑦ 税額計算と申告納付 ・税額計算 ・申告と納付・還付 【第8回】 国際課税① ・居住者、非居住者 ・内国法人、外国法人 ・外国税額控除 ・租税条約 【第9回】 国際課税② ・タックスヘイブン ・移転価格 【第10回】 国際課税③ ・過少資本税制 ・租税回避スキーム 【第11回】 相続税 【第12回】 贈与税 【第13回】 租税の確定① ・納税義務の成立と確定 ・納税申告 【第14回】 租税の確定② ・課税庁による確定 ・附帯税、罰則 ・税務調査 【第15回】 徴収 ・納付と徴収
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