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授業の内容(Course Description) |
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憲法は、国家と国家のメンバーである国民との間の法的関係を規定する法です。民主主義とは、人民の、人民による、人民のための政治をいいますが、憲法は、政府は選挙や議会での審議など民主的政治過程によってのみ成立し、正当に権限を行使しうることを明示するいっぽう、その民主的な政府に対して個々の国民が、たとえ「蚊帳の外」=政治過程の外におかれても、裁判と行政手続を通じて権利主張できると定めているのです。その意味で、憲法は、国家権力を制約しながら正当化するものであり、そして憲法上の権利は、国家権力に邪魔されないという消極的側面とともに、国家権力に参画する積極的な側面も持っているわけです。この講義は、テキストと判例を通じて、憲法が定める国家権力の枠組み(統治機構)を扱う予定です。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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政府の組織と権限に関する知識と理解力を身につけます。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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授業参加(30%)、期末テスト(70%)
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法(第五版)』(岩波書店、2007年) テキスト:安念潤司ほか編『論点日本国憲法』(東京法令出版、2010年) 参 考 書:開講まで指定
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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テキストは精読を、参考書・判例は通読をしてください。 高校の政治経済・日本史ないし世界史の教科書を読みかえすことをすすめます。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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授業内容を理解するために予習と復習が必要です。 授業参加については出席、授業への協力、小テストを評価対象とします。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 ガイダンス、前学期の総括 【第2回】 権力の分立 【第3回】 象徴天皇 【第4回】 戦争放棄と自衛隊 【第5回】 憲法改正、憲法変遷と緊急法制 【第6回】 国権最高機関としての国会、二院制の意味 【第7回】 両議院の組織と権限 【第8回】 議院内閣制 【第9回】 行政権 【第10回】 内閣と内閣総理大臣の権限 【第11回】 租税、予算、財政民主主義 【第12回】 地方自治 【第13回】 司法権と裁判所 【第14回】 裁判所の権限、職業裁判官制度、法曹養成 【第15回】 憲法解釈権と違憲審査権
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