Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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債権総則A 小谷 昌子
選択  2単位
【法律】 12-1-1210-3227-05

1. 授業の内容(Course Description)
 民法は私人と私人の財産関係や身分、親族関係についてルールを定める。この科目は、なかでも契約や不法行為などにより発生した債権債務に共通するルール、すなわち目的、性質、効果、そして債権の消滅を取り扱う(債権の保全、多数当事者の債権債務などは債権総則Bで取り扱う)。
 債権各論と比べると抽象的な規定が多く、ややこしい印象を受けるかもしれないが、現実の社会において有用性がないわけではない。むしろ、一般企業、とくに金融取引にかかわる企業に就職する人は理解しておくことが望ましいであろう。また、抽象度が高いからこそ、興味深い分野でもある。なるべくわかりやすく説明し、その面白さを味わい、民法の枠組みを理解してもらうことを目指す。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 債権に共通のルール(債権総則、債権総論)に関する基本知識や枠組みを理解し、(資料を参照しつつ)文章で説明することができるようになる。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 期末試験(レジュメおよび自筆ノート持込み可)による。原則として、小テスト、レポート、出席そのものによる加点はおこなわない。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 配布するレジュメを参照しつつ授業をおこなう。
 必ず六法は各自持参すること(この点につき、第1回目の授業において説明予定)。
 自習する際には各自気に入った教科書を参照するのがよいが、参考までに。
 大村敦志『基本民法Ⅲ 債権総論・担保物権〔第2版〕』(有斐閣、2005年)※省略しているところもあるがわかりやすい。本科目の基本的構成は同書に依拠している。
 内田貴『民法Ⅲ〔第2版〕債権総論・担保物権』(東京大学出版会、2005年)
 中田裕康=佐藤岩昭=高橋眞『民法 4 債権総論(有斐閣アルマ)』(有斐閣、2004年)
 潮見佳男『プラクティス民法債権総論 〔第3版〕』(信山社、2007年)※やや難解か
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 ・わからない箇所については質問してください。
 ・債権法の全体像のなかでどこに位置づけられるところの話を聞くのか(または聞いたのか)を確認する。
 ・試験は持ち込み可ですが、だからといってどこに何が書いてあるかくらいは把握していないと答案作成はできないので、そのつもりで必要な準備をすること。言うまでもないことですが、試験前にまとめてやるよりも定期的に予習復習をするほうが理解は深まります。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 授業中条文が出てきたら持参した六法をひくようにしてください。
 皆さんが思っている以上に、条文を実際に確かめることは重要です。
 また、債権総則は便宜上AとBに分割されていますが、両方とも理解してはじめて債権総則を理解したといえますので、どちらか一方を履修するのではなく、A・Bいずれも履修することをお願いします。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 ガイダンス・イントロダクション
【第2回】
 債権の性質、債権の種類
【第3回】
 債権の一般的効力
【第4回】
 債権の任意の実現(1) 弁済
【第5回】
 債権の任意の実現(2) 弁済、代物弁済、供託、免除、混同
【第6回】
 債権の任意の実現(3) 相殺
【第7回】
 債権の任意の実現(4) 相殺
【第8回】
 債権債務の移転(1) 債権譲渡
【第9回】
 債権債務の移転(2) 債権譲渡
【第10回】
 債権内容の変更 更改、債務引受
【第11回】
 強制による実現(1) 現実的履行の強制
【第12回】
 強制による実現(2) 債務不履行に基づく損害賠償請求
【第13回】
 強制による実現(3) 債務不履行に基づく損害賠償請求
【第14回】
 強制による実現(4) 債務不履行に基づく損害賠償請求
【第15回】
 まとめ
 ※進捗状況などに応じて変更する可能性があります。