1. |
授業の内容(Course Description) |
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学校課題の解決を目指し、将来の教育の方向性を志向したカリキュラム開発の過程について、事例を通してカリキュラムの設計能力を高める。個々の学校の学校改善に焦点を合わせ、カリキュラム・マネジメントの過程を軸に、改善のテーマに即して事例検討と評価を討議しながら、カリキュラムのマネジメント能力を同時に高める。 実習校(A類学生)や勤務校(B類学生)の教育課題を背景に、カリキュラム開発、改善のテーマを設定し、学校教育計画の基本構想図(全体計画、グランド・デザイン)のデザインを行い、発表と協議を行う。 カリキュラム評価について、改善の促進要因や阻害要因、評価の方法等についての基礎的理解を図り、カリキュラム・マネジメントと組織マネジメントの関係について理解を深める。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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<A類学生>カリキュラム開発評価の過程について基礎的な理解を図るとともに、開発事例の分析と協議を通して、カリキュラム設計の能力を身につける。 <B類学生>これまでの自校のカリキュラム開発や改善の取り組みの状況を評価し、改善方策を明らかにするとともに、設計能力の向上を図り、学校内外での指導力を身につける。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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授業の中での事例分析の報告及び各自作成したグランド・デザインの内容によって評価する。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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児島邦宏『確かな力をはぐくむ学校力』ぎょうせい 2007 日本カリキュラム学会『現代カリキュラム事典』ぎょうせい 2005
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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実習校や勤務校を中心に、具体的事例の資料収集と分析を行なう グランド・デザインの作成は、授業時間外で一部、行なう
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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隨時、授業の中で資料を配布する
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 カリキュラム開発とカリキラム・マネジメント(オリエンテーション) 授業の趣旨(開発とマネジメント)や内容の理解と個々の研究課題の検討。 <A類学生>及び<B類学生>の授業への関わり方と授業の進め方を説明。 【第2回】 カリキュラム開発の過程とPDCA過程(講義・討議) 学校改善の視点から、カリキュラム・マネジメントの過程(PDCA)の全体像を理解し、学校の実態について協議する(学校教育目標を中心に)。 【第3回】 学校改善とカリキュラム開発の過程①(講義・討議) 学校の制度改革や社会的要請を踏まえ、学力観を中心にカリキュラム開発の姿勢と方略について理解を深め、学力をめぐる課題について協議する。 【第4回】 学校改善とカリキュラム開発の過程②(講義・討議) 学校の実態の全体像を理解し、特に児童生徒の生活や育ち方を踏まえたカリキュラム開発をどう図るかを理解し、言語と体験をめぐって協議する。 【第5回】 学校改善とカリキュラム開発の過程③(講義・討議) カリキュラム開発を支える諸条件について、指導体制・学習集団、学習環境、学習時間等の組織マネジメントを取り上げ、協議する 【第6回】 カリキュラム開発の事例研究①(事例分析、報告、討議) 幼・小、小・中の一貫カリキュラムの開発事例(東京都品川区など)を取り上げ、カリキュラム編成の指標を中心に分析・検討する。 【第7回】 カリキュラム開発の事例研究②(事例分析、報告、討議) 学校と地域との連携カリキュラムの開発事例(仙台市七北田小の地域共生科など)を取り上げ、カリキュラム開発の方略と手法について、分析・検討する 【第8回】 カリキュラム開発の事例研究③(事例分析、報告、討議) 活用型の学習活動や発展的学習の教材開発の事例を取り上げ、教材開発の方略と手法について、小学校教育を中心に分析・検討する 【第9回】 カリキュラム開発の事例研究④(事例分析、報告、討議) 活用型の学習活動や発展的学習の教材開発の事例を取り上げ、教材開発の方略と手法について、中学校教育を中心に分析・検討する 【第10回】 カリキュラム開発の事例研究⑤(事例分析、報告、討議) 教師と児童生徒の相互作用過程を軸に、ベテラン教師と実習生の授業の比較分析を通して、授業改善の方略と指導技術の方法について検討する 【第11回】 カリキュラム開発とカリキュラム評価①(講義、事例分析、討議) 自己評価、学校関係者評価、第三者評価からなる学校評価の事例について、評価観、評価項目、評価から改善への過程を中心に分析、検討する 【第12回】 カリキュラム開発とカリキュラム評価②(事例分析、報告、討議) 研究開発学校の事例を基に、指導内容-評価項目-評価基準-評価資料といった一連のつながりを中心に、事例分析を行ない、協議する 【第13回】・【第14回】 学校のカリキュラム設計とグランド・デザイン①②(作業) 以上の授業内容を踏まえ、勤務校や実習校の実態を背景に、各自、開発・改善のテーマを設定し、様式を参考にしながらグランド・デザインを設計する。 A類学生は、学力向上策や授業改善に焦点を合わせたテーマとし、B類学生は一貫教育、地域連携、活用型教材開発に焦点を置いたテーマとする。またB類学生は、A類学生の作業の過程で指導助言する。 【第15回】 学校のカリキュラム設計とグランド・デザイン③(発表・協議) 各自、立案したカリキュラムのグランド・デザインについて発表し、全員で協議を進め、学び合う。
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