Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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学校組織マネジメントと特色ある学校づくり 児島 邦宏
必修  2単位
【教職大学院】 12-1-1331-1711-02

1. 授業の内容(Course Description)
 授業は、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 児童生徒に安全で充実した学校生活を保障する学校経営の方法・課題についての理解を深め、充実した学校運営を図り、諸問題を解決できる力の育成を目指す。
 発生する問題に組織的に対応できる機動力の高い学校組織をつくっていくことは学校教育の大きな課題となっている。そのため、学校運営・組織の課題や良さを分析する手法を身につける。また、危機管理のあり方について、実際のプランを作成する学習や教育委員会への訪問を通じて、教育行政の進め方について具体的に学ぶ学習を実施する。その上で、学校を支える組織の一員としてどのように職務を遂行していくべきか、自己の考えを深めていけるようにする。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 <A類学生>
 ・学校組織内外の連携やその課題について総合的に理解し、実践に生かすことができる。
 ・学校に求められる危機管理やそのあり方について理解し、適切に職務を遂行することができる。
 ・学校経営や学校組織についての基礎を理解し、組織の一員として、適切に職務を遂行することができる。
 ・法令に基づく教育委員会の役割や学校との関係について理解し、実践に生かすことができる。
 <B1類学生>
 ・学校の中核的役割を果たす立場から、校内組織の活性化や危機管理のあり方を理解し、推進することができる。
 ・学校運営・組織の現状分析の手法を身につけ、学校運営・組織の改善に向け、学校をリードすることができる。
 ・法令に基づく教育委員会の役割や教育施策の企画・立案・実施に至る過程や手続き等を理解し、実践に生かすことができる。
 <B2類学生>
 ・校内組織の点検・見直しや活性化、教職員の育成、危機管理のあり方を理解し、その実現に向けて方策を立てたり、主幹教諭等に指導助言したりすることができる。
 ・学校運営・組織の現状分析の手法を身につけるとともに、組織マネジメントや学校自己評価システム等の理解を図り、学校経営のビジョンを立てたり、その実施に当たって主幹教諭等に指導助言したりすることができる。
 ・法令に基づく教育委員会の役割等について理解を深めるとともに、教育課題を解決のための教育政策について、企画・立案・実施に至る過程や手続き等を究明し、推進できるようになる。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 授業における報告と学校のグランドデザインの設計により評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
  児島邦宏・天笠 茂編『学校の組織文化を変える』(ぎょうせい2001)
 参考書
  亀井浩明・小松郁夫『こうして使おう“学校評価ガイドライン”』(学校開発研究所 2006)
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 学校のグランドデザインづくりにおいて、在籍校・実習校の資料収集を十分にする必要がある。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 B類の学生は、A類の学生に指導し、これからの学校づくりに提言できるようにする。
 A類の学生は、教職大学院の集大成として学校のグランドデザインを創り、説明できるようにする。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 学校組織の構成①
  ・幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について、学校組織の構成、外部(行政機関、隣接校、地域、家庭等)との関係を調べ、課題を明らかにする。
【第2回】
 学校組織の構成②
  ・幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について、学校組織の構成、外部(行政機関、隣接校、地域、家庭等)との関係を調べ、構造図にまとめ、課題を明らかにする。
【第3回】
 学校運営・組織の課題①
  ・在籍校や実習校の学校長への聞き取り等を通じて、学校運営・組織の諸課題及び解決に向けた取組を把握する。
【第4回】
 学校運営・組織の課題②
  ・「特色ある学校づくり」を想定して学校の経営方略・ビジョンを策定し、グランドデザインを図示する。
【第5回】
 学校運営・組織の課題③
  ・学校のPDCAの経営過程について理解し、学校の点検・評価、アカウンタビリティ、更に改善の過程について協議する。
【第6回】
 学校組織の機動力を高める①
  ・学校組織の機動力を高めるための新たに設置された職(主幹、指導教諭など)や管理運営体制について調べるとともに、学校組織における自己の役割を協議を通じて考える。
【第7回】
 学校組織の機動力を高める②
  ・校内組織の活性化、協働的・効率的組織の構築に向けたプランの作成とプレゼンテーションを行う。
【第8回】
 保護者・地域との連携
  ・教育活動に係る保護者や地域との連携について、必要性や効果、課題を明らかにするとともに、これからの学校のあり方や具体策をマネジメントし提案する。
【第9回】
 学校改善と組織マネジメント①
  ・学校改善のアイデアをどこに求め、組織としての方向付けを行っていくか、その発生のメカニズムを理解し、実践的に討議する。
【第10回】
 学校改善と組織マネジメント②
  ・学校改善の促進要因とスクール・リーダーのリーダーシップについて理解し、事例を通して、実践的に討議する。
【第11回】
 学校改善と組織マネジメント③
  ・学校改善の主導者(チェンジ・エージェント)と教育委員会をはじめとする支援態勢について理解し、実践的に討議する。
【第12回】
 学校改善と学校評価
  ・事例を基に、自己評価、関係者評価、第3者評価の実際を分析・討議し、評価を改善にどのように生かしていくかについて理解し、その手法を身につける。
【第13回】
 学校組織の活性化のために
  ・学校組織の活性化のための、組織の一員としてどのような力を発揮していくべきか、また保護者や教育委員会といった関係者とどのように連携協力していくべきか、自分の考えをまとめディスカッションする。
【第14回】
 学校の危機管理のあり方①
  ・学校の危機管理(情報管理、防災・防犯、問題行動、教職員の服務等)のあり方について、事例研究を通じて理解を深める。
【第15回】
 学校の危機管理のあり方②
  ・学校において必要とされる危機管理のうち、自己の課題として1つを選び、危機管理プランを作成する。