Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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教育実践リフレクション II 清水 保徳
必修  2単位
【教職大学院】 12-1-1331-2779-04

1. 授業の内容(Course Description)
 授業は、少人数グループ編成のもと、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 授業分析の基本的な方法を理解し、それを基にグループ内で授業分析・リフレクションを実施する。実施に当たっては、受講者の実習計画と連動させ、実際の実習に生きてはたらくものとなるようにする。
 B類学生には、授業分析・リフレクションの手法を獲得させるとともに、A類学生のリフレクションに対して指導助言を行う機会を重視し、その力量を高めるようにする。
 本学期の後半では、グループ協働で、授業案の作成、実践、リフレクション、再試行というPDCAサイクルを臨床的究明を重視して検討し、実際に取り組む。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 <A類学生>
  ・質的・量的な授業分析や、リフレクションの手法を理解し、それを生かして自己の教育実習における実践場面をリフレクションし、実践力を向上させていくことができる。また、教師としての学びのPDCAを身につけることができる。
 <B類学生>
  ・質的・量的な授業分析や、リフレクションの手法を理解し、それを生かして自他の教育実践をリフレクションしたり、指導助言したりすることができる。また、教師としての学びのPDCAサイクルの重要性をとらえ、自ら実践したり、指導助言したりすることができる。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 リフレクションの実際、レポート、グループワーク等を参考にして総合的に評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト
  特定のテキストは使用しない。
 参考書
  ・秋田喜代美「教師教育における「省察」概念の展開―反省的実践家を育てる教師教育をめぐって」(佐藤学・藤田英典他編『教育学年報5 教育と市場』世織書房1996)
  ・F・コルトハーヘン『教師教育学』(学文社2010)
  ・臨床教育人間学会『リフレクション』(東信社2007)
  ・日本教育方法学会編『日本の授業研究』上・下巻 学文社 2009
 など、授業で必要に応じて紹介する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 各自の教育実践、教育実習に対するリフレクションの記録を実習ノート等に、継続的に記録すること。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 リフレクションの意義や手法を、理論と実践から理解し、省察的な教師を目指すことを期待する。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
 (必要に応じてシラバスの順序を変更したり、新たな活動・課題を取り入れることもある)
【第1回】
 目指す教師像の再構築と実習の計画
  春学期に行った実習を振り返り、また、「養成段階で培う資質・能力の観点別評価基準(スタンダード)」についての国内外の試案を基にして、改めて「目指す教師像」を検討するとともに、秋学期の実習計画及び自己の課題等を明確にする。
【第2回】
 授業分析の理論と実践(講義)
  ・児童生徒の発話の質的分析や、児童生徒・教師の行動の量的分析など、授業分析の基本的な理論について理解する。
  ・グループを編成し、授業実践に基づくリフレクションを実施していくための計画を立てる。
【第3回】
 授業記録の分析に基づくリフレクションの実際①
  ・実習した授業のビデオを視聴して授業記録を作成し、それをもとに、授業分析・リフレクションを実施し、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
  ・第3回から11回では、B類学生は、メンターとしての役割も果たせるよう、A類学生のリフレクションについて指導助言を行い、その能力を高める
【第4回】
 授業記録の分析に基づくリフレクションの実際②
  実習した授業のビデオを視聴して授業記録を作成し、分析を行う。それをもとに、授業分析・リフレクションを実施し、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
【第5回】
 授業記録の分析に基づくリフレクションの実際③
  実習した授業のビデオを視聴して授業記録を作成し、分析を行う。それをもとに、授業分析・リフレクションを実施し、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
【第6回】
 ストップモーション方式等を用いたリフレクションの実際①
  実習した授業のビデオ記録を活用し、ストップモーション方式等を用いた授業分析・リフレクションを実施し、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
【第7回】
 ストップモーション方式等を用いたリフレクションの実際②
  実習した授業のビデオ記録を活用し、ストップモーション方式等を用いた授業分析・リフレクションを実施し、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
【第8回】
 特別な支援を必要とする児童生徒の指導についてのリフレクションの実際①
  特別な支援を必要とする児童生徒の指導についての記録を基にして、児童生理解を深めながら、リフレクションを実施し、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
【第9回】
 特別な支援を必要とする児童生徒の指導についてのリフレクションの実際②
  特別な支援を必要とする児童生徒の指導についての記録を基にして、児童生理解を深めながら、リフレクションを実施し、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
【第10回】
 教科以外の場における指導についてのリフレクションの実際①
  学級活動や部活動など教科以外の場における指導についての記録を基にして、リフレクションを実施し、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
【第11回】
 教科以外の場における指導についてのリフレクションの実際②
  学級活動や部活動など教科以外の場における指導についての記録を基にして、リフレクションを実施し、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
【第12回】
 教師としての学びのPDCAを作る①
  ビデオ・授業記録等を基に、グループごとに工夫して授業分析・リフレクションを行い、授業者の成果・課題を明らかにする。
  ※事前にグループ内で授業者を決定し、実践に取り組む。
【第13回】
 教師としての学びのPDCAを作る②
  第12回の内容を基に、教師としての学びのPDCAをどのように作っていくべきか検討し、プレゼンテーション資料にまとめる。
【第14回】
 教師としての学びのPDCAを作る③
  グループごとに実施した「教師としての学びのPDCA」についての報告会を行う。
【第15回】
 まとめ・教師の成長とリフレクション
  「反省的実践」の概念を理解し、教師としての成長にとってのリフレクションの意味を考え、レポートにまとめる。