Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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授業づくりとメンタリング 澁澤 文隆
選択  2単位
【教職大学院】 12-1-1331-3233-07

1. 授業の内容(Course Description)
 授業は、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 下記の指導事項に留意しながら、連携校において授業者の授業づくりの指導を行い、また校内の授業研究の指導をすることなどを中核に据えて、教師の授業づくり能力を高める指導力を獲得する。
 メンタリングについての理論的な理解にとどまらず、連携校や他校での授業参観やメンタリング対象の教師への指導・助言などを行い、更にその方法や有効性等について大学院で振り返りを行う。
 研究の対象となる授業の指導以外に、学生は必要に応じて相談・指導活動をし、教員も指導に当たる。
 具体的には、メンタリング対象の教師が最も切実に感じているテーマで、研究授業を行うまでを指導していく中で授業づくりの指導力を獲得できるように研究・指導活動をする。
 学生が自分の実践や教育実習の計画なども持ち込んで、メンタリング対象の教師の実践を応援していく視点で、知識、経験、考えを出し合ってグループ討議をしながら授業を進めていく。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 <A類学生>
  ・自分自身の授業づくりの能力を高めつつ、大学の教員やB類学生の、授業者の授業づくりに対する指導を観察・参加していく中で、授業づくりの基本的理論・方法を理解し、実践的力量を高めていく。
 <B類学生> 
  ・自分自身の授業づくりの能力を高めつつ、授業者の授業づくりに協力・指導したり、校内外の授業研究などに参加したりするなど、必要に応じて指導の補助活動を行い、メンタリングの力を高める。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 レポートや、授業者への指導、授業研究会での指導等、メンタリングの実際を基にして評価する。なお、評価については、連携校の校長・副校長・指導教員等からの評価も参考にする。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト
  特定のテキストは使用しない。
 参考書
  秋田喜代美「教師教育における「省察」概念の展開― 反省的実践家を育てる教師教育をめぐって」(佐藤学・藤田英典他編『教育学年報5 教育と市場』世織書房1996)など、授業で必要に応じて紹介する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 教師の成長発達の契機について、実習校での観察や聞き取り調査を進めておくこと。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 実践的指導力や、メンタリングの力を高めることを目指して、実際に、メンターとして指導・助言を行うことを予定にしている。ぜひ積極的に取り組んでほしい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 メンタリングとは
  メンタリングと何か。その意義、手法等について理解を深める。
【第2回】
 メンタリングする地域・学校・教師の理解
  メンタリングをする学校の教育課程、研究テーマ、指導する教師の問題意識・研究テーマ、及び、地域の社会・文化、学校と地域との連携などについて理解する。
【第3回】
 メンタリングの教師との打ち合わせ
  ・指導する教師の授業を参観し、授業づくりについての研究・指導の打ち合わせを行う。
  ・学級の様子、子どもたちの生活・学びの様子についての理解を深める。
【第4回】
 指導計画案づくりの検討と指導①
  授業の目標設定・指導の展開・評価の視点について協議・指導し、理解と指導力を高める。
【第5回】
 指導計画案づくりの検討と指導②
  ・指導計画を再検討すると共に、教材の研究・検討し、その指導力を高める。必要に応じて教師と同行し、地域を調査・見学する。
  ・A類学生は授業者の教材研究のための資料の探索・調査の助手として活動する。
【第6回】
 授業案づくりの検討と指導①
  ・授業の目標設定・指導の展開・評価の視点について協議し、その理解と指導力を高める。
  ・個に即することの具体像・手立てを、授業案を作成しながら協議・指導し、その理解と指導力を高める。
【第7回】
 授業案づくりの検討と指導②
  個に即した授業の計画を協議・検討し、その理解と指導力を高める。
【第8回】
 研究授業の最終検討と、授業の記録のとり方
  研究授業の最終検討を行うと共に、授業の記録の意義・視点・採り方について協議し、A・B類学生の役割分担について打ち合わせを行い、研究授業の事前の準備の仕方の理解・指導力を高める。
【第9回】
 授業の参観と記録
  ・研究授業を参観・考察しながら、記録のとり方について学び、B類学生はA類学生を指導する力を高める。
  ・A・B類学生は役割分担し、授業の記録をVTRなどにとり、授業中の発問・発言などを掘り起こす。
【第10回】
 授業研究とその指導①
  記録授業記録の分析について検討しながら、授業分析の視点・方法の理解と指導力を高める。
【第11回】
 授業研究とその指導②
  子どもの発言の読み取りと教師の指導〔発言・板書・資料の扱い〕について検討しながら協議・指導する。
【第12回】
 授業研究とその指導③
  授業の評価と方法について協議・指導する。試験問題を協議・作成し、指導する。
【第13回】
 都内公立学校での授業の参観と授業研究会への参加と指導
  公立小中学校での授業の参観と授業研究会に参加し、B類学生は必要に応じ指導の機会を得る。
【第14回】
 指導資料の作成と活用
  メンタリングの際に活用する資料をA4用紙1枚程度で作成し、資料を活用した指導助言を行う。
【第15回】
 附属小学校での授業研究会への参加と指導・助言の実際
  附属小学校で実施する授業研究会に参加し、B類学生は、観察・指導の補助の機会を得る。