Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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保育内容の指導法(環境 II ) 草野 いづみ
選択  2単位
【教育】 12-1-1333-0184-08

1. 授業の内容(Course Description)
 子どもは周囲の環境から影響を受け、また自ら環境に働きかけるという環境との相互作用を通じて成長する。子どもの育つ環境には、広くは地球環境、周囲の自然環境、園やその周辺の環境など物理的環境に加えて社会環境や地域の文化的環境、家庭や保育園などでの人的環境も含まれる。本授業では保育所保育指針および幼稚園教育要領における領域「環境」の意義と目的について理解し、環境による保育つまり子どもが環境と関わりながら好奇心・探究心を育み、人間関係を形成しながら成長・発達していく過程を人的環境としての保育者がどのように支援するかを具体的に考えていくことを目的とする。前期に引き続き、秋冬の野菜栽培を行う。また、自然環境に加えて園の設計や遊具などの物的環境や地域につながる生活環境についても考えていく。さらに環境問題や異文化交流など、広い意味での子どもの「環境」について視野を広げていきたい。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 子どもの知的好奇心や探究心を育てる保育力を養うため、自らが環境に積極的かつ意識的に関わる姿勢をもち、そこでの発見や体験を保育に応用していけるような態度を身につける。子どもの安全を守る意識を持つ。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 平常点(授業への参加態度)。期末レポート。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 『幼稚園教育要領〈平成20年3月告示〉』および『保育所保育指針〈平成20年告示〉』
 授業時に資料を配布するとともに参考文献を随時紹介する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 日頃から自分の住む地域の環境(自然、歴史、伝統を含む)について関心をもちつつ歩いてみる。実習やボランティアの際に保育園や幼稚園の園内の環境構成について観察・考察するなど「環境を通じた保育」について周囲にアンテナを巡らせ、意識的に行動しよう。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 実習・演習を含みますので、積極的に体と頭を働かせて自ら授業を作っていってください。作業中心なので遅刻しないこと。遅刻3回で欠席1回と扱います。
 畑に入っての作業など野外活動が多いため、動きやすく、汚れても良い服装でくること。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 オリエンテーション:授業の内容や参考文献等の説明。野菜栽培のグループ編成。
【第2回】
 秋の野菜栽培:土作り、畝作り、種まきなど。→野菜栽培は後期終了まで継続し、毎回作業があります。
【第3回】・【第4回】
 地域の自然と子どもの環境について:大学周辺の「秋探し」。植物などを採集して、秋を表現するオブジェを制作する。季節感をどのように保育に取り入れるかを考える。
【第5回】・【第6回】
 春から栽培してきたさつまいもの収穫を行い、それを教材とした実習を行う。
【第7回】・【第8回】
 子どもの生活・遊びと知的発達について。生活の中で出会う文字や記号、あるいは遊具やおもちゃで遊ぶことを通じて、数量や図形、時間や形や空間、数の概念などがどのように発達していくか考える。
 例:大学周辺で数探し、形探しを行い、平面や立体に表現する。
【第9回】
 子どもの安全と園・保育者の役割:ビデオおよび新聞等の資料から実際のケースをもとに考える。
【第10回】・【第11回】
 保育園・幼稚園における環境を通じた保育の実践や園の設計や遊具などについて学ぶ:保育園等での実践例についてお話を聞く。
【第12回】・【第13回】
 伝統行事の企画と模擬保育
 例:クリスマス行事。
【第14回】
 日本における異文化の子どもたち、海外に暮らす子どもたちの環境について知り、さまざまな文化や異文化との交流を尊重する保育を考える。
【第15回】
 授業のまとめと補遺・レポートについて。