Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
総合学習の歴史と実践 小山 福司
選択  2単位
【教育】 12-1-1333-0226-09

1. 授業の内容(Course Description)
 「総合的な学習の時間」の導入以来さまざまに注目を集めた総合学習について、まずその歴史をたどってみる。わが国の学制以降の近代教育の展開において、授業とその改造の歩みを概観してみると、今から一世紀以上も前に「総合学習」の実践が試みられていたこと、大正期の新教育の試みの中に現在にもつながる諸実践が始まっていたこと、等を知ることになる。
 次に海外における総合学習(例えば英国のトピック学習)について、さらにはわが国の学校・教師によって近年試みられてきている諸実践を視野に入れてみる。すると 学校において また一人ひとりの教師が、時間をかけ地道に、授業の改造を願い、実践を積み重ねている姿を目にすることになる。
 この講義では、総合学習の歴史と諸実践とを紹介しつつ、どのようにしたら 子どもの新しい「学び」を創り出すことができるか考えていきたい。
 (平成22年度までの入学生には「教育学入門」において、VTR『もう一つの教育・・・伊那小学校春組の記録』を総合学習の一例として紹介した)
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 1.わが国の教育実践の歴史、特に授業改造の歴史を学び、総合学習についての理解を深める。
 2.海外、特に英国における総合学習について学び、わが国と対照する視点をもてるようにする。
 3.子どもの新しい「学び」を創り出すという観点から、総合学習の可能性を考えられるようにする。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席状況を確認した上で、筆記試験(論述式・テキスト持込み可予定)により評価する。受講者数によっては、小レポート等を求め、評価に加える(40%)ことも考える。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト: 稲垣 忠彦『総合学習を創る』(岩波書店)
 その他 参考文献などは、講義の中で随時紹介する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 各講義において、テキストの該当ページに目を通して出席することはもちろん、テキスト中に一部紹介されている参考文献・資料や諸実践について関心を拡げ、さらに学習を発展させていってもらいたい。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 教職科目ではないが、教職志望者にはできるだけ多く履修してほしいと考えている。主体的な選択・履修を期待する。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 はじめに…総合学習への注目と「総合的な学習の時間」の現在
【第2回】・【第3回】
 一斉授業の歴史 ~ 今日の学校・授業をめぐる問題
【第4回】
 <わが国における総合学習の歴史(授業改造の試み)> (テキスト第Ⅰ章)
    1.樋口勘次郎の「飛鳥山遠足」
【第5回】
 <わが国における総合学習の歴史(授業改造の試み)> (テキスト第Ⅰ章)
    2.及川平治の動的教育法とその題材観
【第6回】
 <わが国における総合学習の歴史(授業改造の試み)> (テキスト第Ⅰ章)
    3.長野師範附属小学校・淀川淀重の「研究学級」
【第7回】
 <わが国における総合学習の歴史(授業改造の試み)> (テキスト第Ⅰ章)
    4.成城小学校、奈良女高師附属小学校など
【第8回】
 <わが国における総合学習の歴史(授業改造の試み)> (テキスト第Ⅰ章)
    5.その後の歴史 ~ 現在
【第9回】
 <海外における総合学習(英国のトピック学習を中心に)> (テキスト第Ⅱ章)
    1.海外での授業改造
【第10回】
 <わが国における総合学習の歴史(授業改造の試み)> (テキスト第Ⅰ章)
    2.英国でのトピック学習と学校・教師
【第11回】
 <わが国における総合学習の歴史(授業改造の試み)> (テキスト第Ⅰ章)
    3.ナショナル・カリキュラム導入後の英国・・・日本との対照
【第12回】
 <わが国における総合学習の歴史(授業改造の試み)> (テキスト第Ⅰ章)
    4.トピック学習の事例
【第13回】・【第14回】
 <わが国で近年試みられてきている諸実践> (テキスト第Ⅲ章 他)
【第15回】
 まとめ…総合学習の実践と学校・教師