Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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障害児教育論A 石川 政孝
選択必修  2単位
【教育】 12-1-1333-1832-11

1. 授業の内容(Course Description)
 【選択科目】【特別支援教育に関する科目・特別支援教育領域に関する科目・心身に障害のある幼児、児童又は生徒の心理、生理及び病理に関する科目】
 肢体不自由児には、生活上あるいは学習上にどのような困難性があるだろうか。それらを心理学的・生理学的側面からみると、どのような支援が必要だろうか。肢体不自由児の病理を理解するとともに、心理学的・生理学的な側面からの理解について述べ、肢体不自由教育の現状及び動向を解説する。さらに、肢体不自由児の指導を中心に、病理的に随伴しやすい障害として知的障害児の特性と病弱児の特性を取り上げ、それぞれの児童生徒の心理学的・生理学的側面と個別の教育的ニーズを配慮した指導の実際を述べる。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 本講義を通して、肢体不自由児の教育では、児童生徒の個別の実態を適切に把握し、心理面や生理学的な側面を踏まえて援助することが必要であり、一人ひとりの児童生徒の病理に対応した指導内容・方法を模索していくことが重要であることを理解する。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 レポート・試験80%、授業参加状況20%により総合的に評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 独立行政法人国立特別支援教育研究所編著『特別支援教育の基礎・基本』ジアース教育新社
 全国心身障害児福祉財団『肢体不自由教育ハンドブック』同財団発行
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 特別支援学校の学校公開あるいは学校行事における見学やボランティア活動などを通して、肢体不自由児や重複障害のある児童生徒の様子について理解を深めてほしい。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 本講義を通して、障害児理解のための観察者の視点、対話者の視点及び共感者の視点をもってほしい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 ・オリエンテーション、授業の目的、内容、進め方、評価方法、参考書について
 ・障害児の心理・生理・病理とは? ICFで示された障害の理念
【第2回】
 障害児者に関する法律と制度
 障害児者を巡る医学の進歩、人権と理念の変化
【第3回】
 肢体不自由児の理解(1)
 肢体不自由児の定義と肢体不自由の起因疾患および心理・行動特性について
【第4回】
 肢体不自由児の理解(2)
 脳性まひについて、肢体不自由児に重複してみられる障害とその病理について
【第5回】
 肢体不自由児の理解(3)
 知的障害児・病弱児の理解について、肢体不自由との重複障害児の生理・病理
 筋ジストロフィー、二分脊椎等の病理について
【第6回】
 肢体不自由児への対応の歴史(1)
 病理の変遷から見た外国の教育史
【第7回】
 肢体不自由への対応の歴史(2)
 戦前・戦後の日本の教育史、医療の進歩にかかる病理・生理の考え方の変化。
【第8回】
 肢体不自由への対応の歴史(3)
 知的障害児と病弱児の病理・生理と処遇の歴史について、肢体不自由教育の歴史との対比から
【第9回】
 肢体不自由教育の教育(1)
 肢体不自由児の心理・生理・病理の特徴と留意点、脳性まひの類型とその病理
【第10回】
 肢体不自由児の教育(2)
 生理及び心理面の特長に応じた障害の改善克服に向けた個別の対応について
【第11回】
 肢体不自由児の教育(3)
 生理、病理に応じたアシスティブ・テクノロジーの導入とそれによって得られる心理の安定について
【第12回】
 肢体不自由児の教育(4)
 病理を踏まえた自立活動の実際と動作法、姿勢運動発達を促す指導
【第13回】
 肢体不自由児の教育(5)
 病理・生理の特徴から見た医療的ケアの課題
【第14回】
 肢体不自由児の教育(6)
 様々な合併症及び知的障害と病弱の重複障害児の病理・生理・心理に応じた指導について
【第15回】
 特別支援教育を巡る最新の動向、授業の振り返り
 まとめと評価