Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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社会的養護 園 武友
選択  2単位
【教育】 12-1-1333-2735-01

1. 授業の内容(Course Description)
 児童問題は、社会情勢が変革する中で、その時代の歪みが児童に大きな影響を与えている。児童養護の実践者たちは、社会の歪みから児童が受ける悲惨な現実と児童の心の問題に対して、児童を守る立場から真摯に施設養護を実践してきた。
 児童養護の歴史の中で、1947年に制定された児童福祉法と1989年に批准された子ども権利条約の果たす役割は非常に大きいものと思われる。特に、子ども権利条約の批准は、日本の児童福祉制度を改善させ、児童の権利擁護が図られてきた。
 しかし、現在の児童問題は、先行きの不透明な社会に対して、国民が疲弊し、家族間及び地域社会の結びつきが希薄になり、無差別な殺傷事件や児童虐待が増加してきている。授業では、家族問題としての児童養護とは何かを、児童施設での養護実践を踏まえて学んでいく。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 ①児童の養護問題の発生と背景を理解する
 ②児童福祉施設などの社会的養護の果たす役割を理解する。
 ③児童福祉施設の実際と課題を理解する。
 ④児童福祉施設などで暮らす児童の生活を理解し、児童の権利擁護を学ぶ。
 ⑤児童福祉施設で働く保育士などの役割や子どもへの援助のあり方を学ぶ。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 授業の出席状況を重視します。及び授業で実施するレポートを採点して総合的に評価します。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 参考文献『実践から学ぶ 社会的養護 -児童養護の原理-』編者中山正雄 発行保育出版社
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 児童養護に関わる制度の改正及び児童虐待などの報道記事を読んでおく。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 保育者を目指す者として、児童虐待がいかに子どもの心を傷つけるかを理解し、教育・保育・児童福祉現場での子どもたちへの支援のあり方を自分なりに考えて欲しい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 児童養護の歴史と養護問題
【第2回】
 児童福祉施設の社会的体系と種類
【第3回】
 里親制度の現状と里親養護の課題
【第4回】
 家庭での暮らしと施設での暮らしの違い
【第5回】
 児童相談所の役割と施設入所する理由
【第6回】
 児童福祉施設の形態と子ども達の生活
【第7回】
 児童福祉施設で暮らす子ども達の気持ちと子どもの権利
【第8回】
 児童福祉施設で暮らす子どもの問題と援助のあり方①
【第9回】
 児童福祉施設で暮らす子どもの問題と援助のあり方②
【第10回】
 障害施設などでの子どもの問題と援助のあり方
【第11回】
 児童福祉施設での家庭支援と関係機関との連携
【第12回】
 養護実践を踏まえての児童相談所との連携
【第13回】
 養護実践を踏まえてのケア職員と専門職(臨床心理士等)との連携
【第14回】
 児童福祉施設の自立支援とアフターケア
【第15回】
 児童養護の課題