1. |
授業の内容(Course Description) |
|
造形による表現は、子どもの生活にとって大切な環境を提供しています。それは、「形や色やイメージ」、そして「モノの肌触り(質感)」などを通した活動を、十分楽しみ味わうことで、子どもの感性を高め、表現力を豊かにし、創造力の芽生えを培うからです。 こうした活動にかかわる指導者が、造形表現への苦手意識や、子どもの表現を大人の思い描く「鋳型(いがた)」にはめようとする意識をもっていては、子どもの主体性を育むことはできないでしょう。授業では、さまざまな造形表現の実習を通して、受講生自らが、活動を十分楽しみながら、子どもの造形表現の題材や指導法を身につけていきたいと思います。 造形活動の基本的な①「材料(場所)」、②「操作(行為)」、③「イメージ(思い)」の3つ要素に着目し、自分で感じたり、つくったり、表したりする活動を楽しみたいと思います。また、子どもの作品、映像、写真なども資料にして具体的に事例を紹介していきたいと思います。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
子どもの視点に立ち、製作実習を通して自らが造形表現の楽しさを十分感じ取り、指導者として求められている子どもの造形教育の基礎的な知識及び技能を習得し、実践的指導力を身につける。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
①実習製作、②レポート、③授業中の発表などを、関心・意欲、知識・理解、習熟度などの観点から総合的に判断します。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
◯テキスト 特にありません。随時資料を配布します。 ◯参考文献 ・『幼稚園教育要領解説』(文部科学省) ・『保育所保育指針解説書』(厚生労働省) ・『子どもの絵の発達過程〜全心身的活動から視覚的統合へ〜』(辻政博著、日本文教出版社、定価1,500円) ・『図工室にいこう2〜アートが生み出す子どもの未来〜』(監修:辻政博、編集:美術手帖編集部等、美術出版社、定価2,500円)
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
◯授業で紹介した「展覧会」「児童作品展」「造形教育関係の施設」などに足を運び、鑑賞したり、見学したりするなど、造形教育への見聞を高めてください。 ◯宿題を出します。
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
◯体験、習得した知識や技能を自分なら、実際の指導にどのように活用するかイメージしながら受講してください。 ◯実習を中心とした授業です。のびのびと活動するために、汚れてもよい服装や材料・用具などの準備があることに留意してください。 ◯授業中にメモやノートを取ることや資料をファイルしておく方法を自分なりに考え、活用できるようにしましょう。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 ・オリエンテーション(授業計画、評価、授業を受けるにあたっての留意事項など)。 【第2回】 ・「造形表現」の目的、内容、方法、子どもの発達の特性、基本的な造形の原理などについて概要を学ぶ。 【第3回】 ・いろいろな素材に親しむ(身の回りにある自然材や人工材を生かして遊ぶ)。 【第4回】 ・いろいろな素材に親しむ(フィンガーペインティングなど体の感覚を生かして遊ぶ)。 【第5回】 ・感じたこと想像したこと考えたことをもとに表す①(クレヨン、絵の具などの描画材を活用して表す)。 【第6回】 ・感じたこと想像したこと考えたことをもとに表す②(いろいろな紙で、コラージュなどの方法を活用して表す)。 【第7回】 ・感じたこと想像したこと考えたことをもとに表す③(簡単な版の表現の方法を活用して表す)。 【第8回】 ・感じたこと想像したこと考えたことをもとにつくる①(ダンボール紙などを活用してつくる)。 【第9回】 ・感じたこと想像したこと考えたことをもとにつくる②(粘土や身辺材を活用してつくる)。 【第10回】 ・遊びに使うものをつくる(身辺材を活用してつくる)。 【第11回】 ・飾るものをつくる(生活を楽しく飾る造形表現)。 【第12回】 ・行事の中の造形表現(行事などの目的に合わせた楽しい造形表現)。 【第13回】 ・共同製作(友達とかかわりなが、協力して造形活動を楽しむ)。 【第14回】 ・指導計画案の作成(これまでの受講経験をもとに自分で題材をつくってみよう)。 【第15回】 ・まとめ(レポート、作品発表など)。
|