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授業の内容(Course Description) |
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教員免許状を取得するためには「日本国憲法2単位」を修得しなければなりません(教育職員免許法施行規則第66条の6)。この授業はそのためのものです。日本国憲法の条項を万遍なく扱うことはせず、教育にかかわりの深い規範を中心に扱います。また、抽象論をできるだけ避けて、判例などの事例を多く扱う予定です。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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近代立憲主義に立つ日本国憲法の原理、特色を理解し、説明できる。 教育の在り方を憲法の視点から考察し、表現できる。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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平常点(授業への集中度、レポート等による)70%、期末テスト30%
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:浦野東洋一ほか『教育小六法・平成24年版』、学陽書房 (他の教職課程の授業にも活用できるように、一般の『六法』ではなく教育法令集をテキストに指定します。) 参考図書:野中俊彦ほか・著『憲法Ⅰ[第4版]』、『憲法Ⅱ[第4版]』、有斐閣。松井茂記・著『日本国憲法[第3版]』、有斐閣。伊藤正巳・著『憲法[第3版]』、弘文堂。佐藤幸治・著『憲法[第3版]』、青林書院。樋口陽一・著『憲法[第3版]』、創文社。芦部信喜・著:高橋和之・補訂『憲法[第5版]』、岩波書店など
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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上記の参考図書は、版を重ねている定評ある憲法学テキストと言えるでしょう。どれか1冊を選び、読破してください。「1.授業の内容」に書いたように、時間的にもこの授業では日本国憲法の条項を万偏なく扱えませんので、この自学自修がとても大切です。読破した人は、A4版・横書き原稿用紙に手書きで2,000字程度の読書感想文を書いて、1月20日までに浦野に提出してください。成績評価の参考資料とします。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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私は、「学生」を「学ぶために生きている」人と理解しています。そのつもりでお付き合いください。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 大日本帝国憲法について(欽定憲法、天皇主権、臣民の権利義務、教育条項の欠落、教育立法における勅令主義、義務教育) 【第2回】 大日本帝国憲法と教育(教育勅語、軍人勅諭、儀式規程、営造物、特別権力関係論) 【第3回】 「教育小六法」の使い方、法の構造、法の解釈 【第4回】 戦後改革(ポツダム宣言から憲法、教育基本法・学校教育法の制定まで) 【第5回】 立憲主義(憲法とは何か、国家とは何か、近代立憲主義、服務の宣誓、硬性憲法) 【第6回】 北海道学力テスト事件最高裁大法廷判決の検討(一) 【第7階】 北海道学力テスト事件最高裁大法廷判決の検討(二) 【第8回】 エホバの証人生徒退学命令処分等取消請求事件判決の検討 【第9回】 上記判例についての「研究レポート」作成指導 【第10回】 学生による「研究レポート」のPresentation 【第11回】 知る権利、プライバシーの権利(公文書公開、個人情報保護。学校現場における問題) 国際法規範(条約、世界人権宣言、児童権利宣言、A規約、B規約、子どもの権利条条約、教員の地位に関する勧告)、在日外国人の子どもの教育を受ける権利 *この授業時までに「課題図書レポート」を提出すること。 【第12回】 前文、第1章、第2章、第3章、自由権と社会権、参政権 【第13回】 第4章~第11章、国家統治機構 【第14回】 学生による「課題図書レポート」のPresentation 【第15回】 総括(「学生による授業評価」、「小テスト」を実施するので、『教育小六法』、ノート、プリントを忘れずに持参すること。) 8.課題図書レポート作成要領 (1)課題図書:下記の中から1冊選択すること。 ①文部省著作教科書『新しい憲法のはなし・民主主義』、展望社、ISBN=4-88546-113-8 この本は、本学図書館の「指定図書」になっています。 ②憲法ないし憲法問題に関係するタイトルの新書本(岩波新書、ちくま新書、中公新書など)、 あるいはそれに類する図書の1冊 (2)400字詰め、横書きの原稿用紙に、手書きで書くこと(パソコンの使用は禁止)。 左上をホッチキスでとじる。 (3)レポートの構成 ・表紙に課題図書名、学生番号、氏名を書く。 ・第1節 あらすじ・・・課題図書の内容(あらすじ)を1,200字程度にまとめる。 ・第2節 考察・・・課題図書を読んでの感想、意見などを1,500字程度にまとめる。
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