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授業の内容(Course Description) |
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自然科学は私達に縁遠いものと一般的に思われがちである。しかし、私達は多かれ少なかれ自然に取り囲まれて生活している。身近な自然に目を向け、その現象に興味を持ち、その疑問を解決しようとする行為は、たとえどんな小さなことであっても、科学的行為である。本講義では、身近な自然である“花”を取り上げ、その多様性に注目し、その由来を探る。“花”が生殖器官であることから、生物により普遍的な現象である‘生殖’や、‘性’の存在意義等の問題についても考える。本講義は、身近な自然に目を向けることから始まり、より普遍的な生物界の現象を考究する、という自然科学の一般的プロセスに即したかたちで行う。そのような自然科学の一般的プロセスについても理解してもらいつつ、自然科学が実は身近なものであり、興味に満ちたものであることを感じて欲しいと思う。 本講義の内容は、“多様性生物学”ないしは“進化生物学”という生物学の一分野に入るものである。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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ひとたび生物の世界を覗くと、そこは興味深い現象で満ち満ちた世界である。科学がそうした現象を捉え、現象を引き起こしている理由を客観的に解決しようとする行為であることを会得してほしい。 物事を客観的に捉え、筋道を立てて考える姿勢を培いたい。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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定期試験を約80%、出席状況、学習態度などを約20%(変更ありうる)。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストはとくに使わない。参考書は必要があれば講義中に紹介する。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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普段から自然や自然環境に関心を持ち、書物や映像等を多く見る機会を持つようにして下さい。とくに多様な生物の在り方を注視して下さい。自分でも自然に出来るだけ触れ、自然に親しみ、自然をよく見つめてもらいたいと思います。必要に応じて、講義中に課題を出したり、指示することがありえます。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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常に出席し、理解しながらよく聞いていないと、試験にパスしないだろう。ノートをとる習慣をつけること。 本講義内容に興味があり、学習意欲十分な学生の出席を歓迎する。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 本講義のガイダンス:内容の概略、受講上の注意、など。 【第2回】 花についての基礎的知識の整理。実ができるまでのプロセスの概略、など。 【第3回】 虫媒花の受粉の実際:具体例。 【第4回】 続き。 【第5回】 花と昆虫の相互依存関係、その深化と脱依存の例。 【第6回】 虫媒以外の受粉のしくみ:具体例。 【第7回】 花の多様化とポリネイター。自家受精をさけるしくみ:具体例。 【第8回】 続き。 【第9回】 生殖様式の進化と動植物。 【第10回】 続き。補足:ミツバチの色覚の特徴とcommunicationに関わる行動。 【第11回】 補足:二次花とその進化。性の存在の生物学的意義。 【第12回】 補足:共進化。食される果実の進化。 【第13回】 補足:果実のつくり、など。無性生殖と人為的クローン:植物の場合。 【第14回】 補足:続き:動物の場合。 【第15回】 まとめ・講義内容についての筆記試験。
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