1. |
授業の内容(Course Description) |
|
メディアと教育は、複雑な関係にある。最近、iPadを利用した電子教科書が世界的なニュースになったが、「未来の教育」は、新しいメディアが作り出すという認識を我々は持っている。その一方で、教育界では、テレビ、電子ゲーム、ケータイなど、新しいメディアが登場するたびに、それらが子どもに悪影響を及ぼすのではないかと真剣に議論をしてきた。教育においては、常に新しいメディアへの期待と猜疑が複雑に絡み合っているといってよい。 それでは、この複雑でダイナミックな関係を社会学的にどう捉えていくことができるのだろうか。本講義では、論文集である『子どもとニューメディア』(北田暁大・大多和直樹 2007)を中心に、代表的な議論をピックアップして、その輪郭を捉えることを目指す。一回の授業に一章を取り上げ、そのエッセンスを捉えていく。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
メディアと教育の関係を捉え、説明することができる。 メディアと教育にかんするいくつかの主要な論文を読み、説明することができる。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
平常点(授業内レポート、出席) 40% 期末レポート 60%
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
北田暁大・大多和直樹編著『子どもとニューメディア』(広田照幸監修『リーディングス日本の教育と社会10』日本図書センター、2007)
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
あらかじめテキストを読んでくることを前提として、議論をおこなうことがある。
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
授業への積極的な参加を期待する。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 ガイダンス <教育の磁場とニューメディア> 【第2回】 「明治期における『小説』イメージの転換―俗悪メディアから教育的メディアへ」 高橋一郎 【第3回】 「戦後教育におけるメディア言説の論理構成─〈特性〉としてのメディア・〈作用〉としてのメディア」大多和直樹 【第4回】 「電子ネットワークが広げる子どもの可能性」美馬のゆり <情報社会の病理?> 【第5回】 「『テレビゲームと暴力』問題の過去、現在、未来―社会心理学における研究の動向」坂元 章 【第6回】 「情報通信の病理―親和コミュニケーションの彷徨」諸井克英 【第7回】 「『社会的ひきこもり』とヴァーチャル・リアリティ」 斎藤 環 <ニューメディアと若者> 【第8回】 「若者のコミュニケーションの変容と新しいメディア」 辻 大介 【第9回】 「パーソナル・メディアとコミュニケーション行動―青少年にみる影響を中心に」橋元良明 【第10回】 「若者の友人関係と携帯電話利用-関係希薄化論から選択的関係論へ」松田美佐 【第11回】 「私論と輿論の変換装置―『ネット世論』の行方」柴内康文 <メディア環境と子ども> 【第12回】 「学校化・情報化と人間形成空間の変容―分節型社縁社会からクロスオーバー型趣味縁社会へ」藤田英典 【第13回】 「メディア環境のなかの子ども文化」吉見俊哉 【第14回】 「遊具としてのメディア」水越 伸 【第15回】 第十五回 まとめ
|