Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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自然法則と認識 I - I 横山 厚
3群  2単位
【三群】 12-1-1340-0568-01

1. 授業の内容(Course Description)
 特殊相対性理論は、時間と空間のあいだの関係を述べた理論である。すべての物理学理論、例えば電場や磁場を記述する理論は、この相対性理論が要求する時空の関係を満たさねばならない。この理論は、古代ギリシャ時代以来の物理学の発展の自然な、あるいは必然的な(量子論のような革命的仮説を用いない)帰結として導かれた。どのようにこの理論が導かれたか、またなぜ相対性原理が提唱されたのかを平易にかつ系統的に解説する。また、この理論によって得られるさまざまな結果、例えば宇宙の膨張や、うらしま効果などを解説する。物理学の発展の歴史をきちんと把握しておくことが大切であるので、ギリシャ時代の物理学(自然学)から近代の物理学までの発展の経過を詳細に検討していく。物理学史、科学史としての側面が自動的に含まれる。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 位置、速度、加速度の関係を定量的に把握する。これらと力の関係からニュートン力学を理解する。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 授業への参加状況(演習問題を解き、レポートを提出する)と学期末試験の結果で総合的に評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 横山厚著『−基礎から学ぶ文科系のための−めざせ相対性理論』
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 中学卒業程度の知識、例えば3桁の四則算や簡単な数式の四則算ができることを前提とする。受講生の取り組み方に大きく依存する。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 中学並みの知識から出発するものの、ゴールは大学生にふさわしいきわめて高度な内容となる。それなりの覚悟を持って講義に臨んで欲しい。将来、理科教育(例えば初等教育)に関係する予定の学生は、特にこの科目を選択してもらいたい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 運動学の基礎
  物理量、有効数字
【第2回】
 運動学の基礎
  スカラーとベクトル、速度
【第3回】
 運動学の基礎
  一様な運動、一様でない運動、加速度
【第4回】
 運動学の基礎
  加速度
【第5回】
 運動学の基礎
  瞬間の速さ
【第6回】
 運動学の基礎
  等加速度運動
【第7回】
 運動学の基礎
  円運動、スペースシャトル
【第8回】
 ガリレオと運動学
  スコラ的自然観
【第9回】
 ガリレオと運動学
  ガリレオの挑戦、落体の運動学
【第10回】
 ガリレオと運動学
  仮説、推論、実験的検証
【第11回】
 天体の運動
  観察事実、プラトン主義
【第12回】
 天体の運動
  プトレマイオスの地球中心説、コペルニクスの太陽中心説
【第13回】
 天体の運動
  円の呪縛からの解放、ケプラーの法則
【第14回】
 力学
  落体の運動学と天体の運動学の統一
【第15回】
 力学
  第一法則、第二法則、第三法則