Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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日本史特殊講義1A- I 義江 明子
選択必修  2単位
【史】 12-1-1340-0569-07

1. 授業の内容(Course Description)
 古代社会政治史。奈良時代の貴族女性県犬養橘三千代をとりあげ、一人の女性の政治的役割を、七世紀~八世紀の大きな社会変動の中に位置づけながら見ていきます。史料の細部に目をこらし、歴史的背景を考えるおもしろさにふれ、一つのテーマにもとづいての文献検索、研究史整理、史料分析、独自の構想の組み立て等、古代史研究の方法を実地に学びとってください。研究のすすめ方を具体的に解説します。平成22年度の講義では三千代の前半生を中心に述べたので、今年度は後半生および彼女の死後の、王権をめぐる藤原氏・橘氏の動き等を中心にみます。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 ①古代史研究の基本的方法を身につける。
 ②奈良時代の政治と文化を理解する。
 ③漢文史料の読み方に慣れる。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 学期末定期試験は行わない。授業期間中にまとめの小テストを2回実施(論述式)。小テスト(各30%)・出席(20%)・私見カード(20%)を総合評価。出席9回以下は不可。5回以上出席し、小テストを1回以上受けた4年生には、ミニレポートによる出席不足補充を認めます。小テストは自筆ノートのみ持参。毎回出席することが、自ずと高い成績評価につながります。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:義江明子『県犬養橘三千代』〔人物叢書〕吉川弘文館、2009年。
 参考文献:毎回のプリントで指示。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 毎回、次回のための予習課題を出します。希望者のみ提出(成績に反映)。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 授業中の私語厳禁。私語のある間は授業を行いません。昨年度日本史特殊講義1Cを履修した学生も、ひきつづき積極的に受講してください。日本古代史を深めたい学生には、連続受講をすすめします。
 毎回、終了15分前に「私見」カードを配付するので、その日の授業内容に関わる課題について、自分自身の意見を書いて提出。「私見」カード記入を通じて、授業に受け身でなく取り組む勉学姿勢を養ってください。次回に重要な「私見」を数点、紹介します。
 原則として板書はしません。プリントを板書と考え、講義とプリントの要点をノートしてください。授業中に、ノート整理のための時間を適宜とります。プリントは小テスト時の持ち込み不可(ノートに貼付しない)。
 1学期間の授業にはつながりがあり、前回までの授業内容を理解していることが次回の授業を受ける前提となります。また毎回の授業にも、授業のポイント説明~本論~まとめという流れがあり、遅刻するとその日の授業の流れが理解できません。遅刻・欠席をしないことが、着実な勉学の第一歩です。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 ガイダンス。授業のすすめ方。
【第2回】
 日本古代史研究の歩みと研究法。
【第3回】
 文献検索方法。専門辞典の使い方。
【第4回】
 県犬養氏と三千代について。
【第5回】
 宮人出仕から橘賜姓まで
【第6回】
 正倉院宝物より(以上は平成22年度講義の復習)
【第7回】
 前半のまとめと小テスト(前回授業までの範囲)。ただし、ここまでの授業の展開に応じて、前後の回に変更しますので、注意してください。論述式。自筆ノートのみ参照可。プリント貼付不可。
【第8回】
 小テストの解答例配布・解説。答案返却→自己点検→再提出。後半授業のアウトライン。
【第9回】
 不比等の死
【第10回】
 貴族の家政機関
【第11回】
 光明皇后
【第12回】
 三千代の死
【第13回】
 橘諸兄
【第14回】
 後半のまとめと小テスト
【第15回】
 小テストの解答例配布・解説。答案返却→自己点検→再提出。春期を振り返って。