1. |
授業の内容(Course Description) |
|
奈良時代の政治史を論じていきます。古代律令政治支配は、701年の大宝律令完成と施行により進みます。その進行が定着したのは、717~724年頃の養老年間ともされたりします。ここに至る過程は、制度施行上の多くの問題が山積し、天皇のあり方にも成人した得のある天子であるべしという問題が生じてきたようです。そうした時期に皇太子であった首皇子(後の聖武天皇)は、24歳になってようやく即位しました。 以後の長屋王の変、種々の反乱から東大寺造営に至るあいだについて、それは天平の文化に彩られていますが、これを含めてその後の仏教政治への動きや背景として、また政治過程として論じていきます。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
1 日本古代の奈良時代政治史を政治過程として理解する 2 授業内容で特に関心を持った問題について、自ら深め、自分の問題にする 3 つかんだ問題について授業や他の研究者の研究に触れて自分なりの理解をまとめる 以上の三段階の学習を進めて、レポートにする。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
1 各回の授業について感想や質問を簡潔に記す。30% 2 授業終了後に4000字以上のレポートを提出する。70%
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
テキストなし 参考書1 遠山美都男『彷徨の王権 聖武天皇』(角川選書1999 ¥1,400+税) 2 滝浪貞子『帝王 聖武』(講談社メチエ2000 ¥1,800+税)
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
1 配布された授業レジュメに目を通して出席す、授業中の講義の中からノートして復習する。 2 関心ある問題について紹介された文献を読破する 3 レポートは、まずはメモ、粗原稿、草稿など早めに作成し、完成へと進める
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
講義に関して直接・間接に興味ある問題を考えて、自分のテーマを持つようにする努力をお願いしたい。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 序 【第2回】 大宝律令の成立と首皇子の誕生 【第3回】 女帝の時代と首皇子の立太子 【第4回】 首皇子への帝王教育と結婚 【第5回】 首皇子・聖武天皇の即位と母宮子夫人称号事件 【第6回】 長屋王事件と光明子の立后 【第7回】 天然痘の流行と藤原四子の逝去 【第8回】 阿倍内親王の立太子 【第9回】 藤原広嗣の乱と東国行幸 【第10回】 国分寺造立の詔 【第11回】 知識と大仏建立 【第12回】 東大寺の造営と三千大千世界 【第13回】 孝謙女帝と藤原仲麻呂政権 【第14回】 孝謙女帝と弓削道鏡 【第15回】 奈良朝政治史のまとめ
|