Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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日本史籍講読7A- II 小山 俊樹
選択必修  2単位
【史】 12-1-1340-2706-06

1. 授業の内容(Course Description)
 大正~昭和期に陸軍軍人・政治家として活躍し、いわゆる「宇垣軍縮」「流産内閣」で知られた宇垣一成。明治以来の軍閥を引き継いだ宇垣は、実力ある陸軍の第一人者として一時代を築き、軍縮と近代化を断行する。しかし満洲事変後には陸軍に疎まれ、「政界の惑星」として組閣の大命を受けながら、ついには総理大臣への道を阻まれる。
 本授業では、宇垣の記した「一如庵随想録(『宇垣一成日記』として刊行)」を題材に、参加者全員で輪読・報告する。一人の軍人政治家の眼を通して、近現代日本の政治や社会について理解を深めるとともに、近現代史料の読解や調査の方法を学んでいく。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 ①近現代日本の政治家が書いた「日記」を活字で読み、その文意を説明できるようになること。
 ②「日記」に書かれた登場人物・事件・事項などを調査する能力を身につけること。
 ③他の史料などを読み解き、「日記」の記述を検証できるようになること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 毎回の出席と質疑、授業での報告を重視する。
 また最終回にテストを行い、総合的に評価を行う。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 (テキスト)…授業中に配布する
  角田順校訂『宇垣一成日記』(1~3)みすゞ書房、1968~71年
 (参考文献)
  畠山武『昭和史の怪物たち』文春新書、2003年
  堀真清編『宇垣一成とその時代―大正・昭和前期の軍部・政党・官僚』新評論、1999年
  宇垣一成文書研究会『宇垣一成関係文書』芙蓉書房出版、1995年
  渡邊行男『宇垣一成―政軍関係の確執』中公新書、1993年
  井上清『宇垣一成』朝日新聞社、1975年
  額田坦『秘録宇垣一成』芙蓉書房、1973年
  宇垣一成『松籟清談』文藝春秋新社、1951年
  渡邉茂雄『宇垣一成の歩んだ道』新太陽社、1948年
   そのほか、授業中に適宜指示する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 テキストを読み込み、文意と内容を解読する。また参考文献などを使用して、担当範囲の政治や社会の動きを説明できるようにする。その上で、史料の記述内容を幅広く調査し、その結果を報告に盛り込むこと。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 授業への出席、および報告・質疑の内容を重視する。報告者はもちろん、その他の受講者も事前にテキストを読み、質疑応答に参加することが求められる。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 ガイダンス・史料の概略と授業の進め方について
【第2回】~【第14回】
 昭和7(1932)年~昭和24(1949)年の担当報告・質疑応答
【第15回】
 後半のまとめ・最終回テスト