Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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考古学 II 今村 啓爾
1群  2単位
【一群】 12-1-1340-3206-04

1. 授業の内容(Course Description)
 昔から人間は自分たちの遠い過去に興味を持ち、過去についての伝説を聞き、想像してきた。しかしそれは本当の過去の姿を教えるものではなかった。近代的科学の発達のなかで、文字記録が乏しい時代については当時の物的資料(遺跡・遺物)を証拠としてとりあげ、過去を再構成することが試みられるようになった。考古学のはじまりである。ところが物的証拠自体は自分が何であるか語ることがない。そこで寡黙な物的資料に無理やり過去を語らせる考古学独特の方法が発達した。地下に眠る歴史資料がいかに豊かで、過去を雄弁に語るか、考古学が発達するまでは想像もされなかった。考古学ⅡではⅠとは対照的に日本以外の世界各地の考古学の調査と成果をとりあげ、人類の誕生から世界各地に高度な古代文明が誕生する過程をトピックス的にとりあげ、人類の文化社会がいかに発達し、現代社会の基礎を築いたかを理解する。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 時間的に非常に長い視野の中で人間とその文化社会の発達過程を理解し、この視点から人類の将来について自分の意見をもてる社会人となることをめざす。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 ペーパーテスト。主に重要語句・重要な概念について。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 授業中に関連する書籍や論文をあげる。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 日本の中で外国の考古遺物に接することのできる機会は多くないが、ときおり素晴らしい展覧会が催されることがある。そのような機会については授業時間中に紹介するので、観覧するよう努力してほしい。またBS放送などで外国考古学関係の番組が放映されることも多い。言葉の上だけの勉強では、考古学の面白さの半分も伝わらないので、このような機会を利用できるよう授業で情報を伝える。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 個々の具体的事実の記憶よりも、人間を取り巻く環境とそれに対する技術や社会の大きく根本的な変化の様を理解するよう努力してほしい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 考古学とは何か
【第2回】
 人類の起源を求めて
【第3回】
 旧石器時代の洞窟壁画
【第4回】
 ヨーロッパの先史時代
【第5回】
 アイスマンの発見
【第6回】
 農耕牧畜のはじまり
【第7回】
 西アジアにおける国家の成立
【第8回】
 エジプトの考古学
【第9回】
 ツタンカーメン王墓の発見
【第10回】
 ポンペイとローマ帝国
【第11回】
 古代中国(1) 新石器時代と殷周の文化
【第12回】
 古代中国(2) 秦漢帝国
【第13回】
 中国雲南の古代文化
【第14回】
 新大陸との遭遇
【第15回】
 イースター島と太平洋の考古学