Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
地方文化史 I 木村 茂光
選択  2単位
【史】 12-1-1340-3222-02

1. 授業の内容(Course Description)
 ◎日本は島国であるため、なんとなく「一つの文化」から成り立っているように思われがちだが、その内部をみると、地域によって多様な文化や生活様式が存在し、それぞれ独特の内容を持っていることがわかる。例えば、北海道と沖縄の文化・生活様式を比べてみるだけで明瞭であろう。
 ◎それぞれの地域文化を理解することなくし、日本文化の特徴を理解することは困難である。画一的な「日本文化」理解を克服して、日本文化の多様性を把握するとともに、それを通じて「日本文化」のなかの固有性を見つけ出せるような講義にしたい。
 ◎本講義では、この点を浮き彫りにするために、日本の「東」的特徴と「西」的特徴に注目し、それぞれの生活様式や文化の違いについて、概観する。
 ◎「Ⅰ」では、文化・生活様式全般について取り上げるが、「Ⅱ」では、「Ⅰ」を踏まえて、東北・北海道の歴史・地域文化と沖縄(琉球)の歴史・地域文化を取り上げ、日本の文化の幅広さについて考える予定である。「Ⅰ」と「Ⅱ」を連続して受講することを希望したい。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 1,日本文化が「単一」ではないこと、地域によって多様な文化・生活様式が存在する、という考えを習得すること。
 2,その多様な文化や生活様式が形成され、継続されてきた歴史的要因を理解すること。
 3,その多様性のうえに成立してきた「日本文化」の特徴について習得すること。
 以上、3点を到達目標とする。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 1,出席数を重んじる。
 2,講義内容についての理解度を重んじる。
 3,1・2を評価するために、2回の「まとめのテスト」とそれ以外に実施する3回程度の「小テスト」(不定期)を行う。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 1,テキストは用いない。
 2,参考文献はその都度紹介するが、当面、以下の3点を紹介する。
 網野善彦『東と西の語る日本の歴史』(講談社学術文庫)
 大野晋他著『東日本と西日本』(日本エデイタースクール出版部)
 林屋辰三郎『日本文化の東と西』(講談社現代新書)
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 小テスト、「まとめのテスト」に向けて、講義内容の習得と復習に十分時間を割くこと。
 参考文献を中心に、地域文化に関する書物を読むこと。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 日本史に関する基礎知識を習得していること。
 身の回りの文化・習俗の地域的偏差について関心をもつことに日頃より心がけてほしい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 講義の進め方、講義の目的、小テストなどに関するガイダンス。
【第2回】
 「ことば」の東と西
【第3回】
 住居の東と西
【第4回】
 牛と馬
【第5回】
 金と銀
【第6回】
 うどんとそば
【第7回】
 江戸と上方
【第8回】
 まとめとテスト
【第9回】
 縄文的・弥生的
【第10回】
 古代の東国と西国
【第11回】
 将門と純友
【第12回】
 源氏と平氏
【第13回】
 イエ的社会とムラ的社会
【第14回】
 絹と米
【第15回】
 まとめとテスト