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授業の内容(Course Description) |
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1)鎌倉時代を研究するうえでの基本史料である『貞永式目』には、それを補足するために多くの「追加法」が その時々に発布されている。本講義の前半では、その「追加法」のいくつかを選び、受講者が分担し、輪読す る。後半は、「追加法」と密接に関連する、鎌倉幕府の訴訟判決文書(関東裁許状=関東下知状)のいくつか を選び、同様に分担し輪読する。 2)受講生は、分担文書の「読み下し」「現代語訳」を行い、担当文書の内容の特色を発表する。そのうえで、 史料中で関心をもった事件・事柄・人物になどについて「補足報告」を行う。 3)上記の報告内容については、すべてレジュメを作成する。 4)報告後、受講生全員で質疑・討論を行う。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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1)活字に翻刻された鎌倉時代の古文書を読解する能力を身につける。 2)文書の様式・文書の内容などに関する知識を的確に理解する能力を養う。 3)関心をもった事件・事柄・人物などに関して研究し発表する能力を身につける。 4)訴訟文書の読解を通じて鎌倉幕府が当面していた課題についても理解する。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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出席点と分担箇所の発表と補足報告の内容のレベル、そして討論への参加状況を総合的な判断する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキスト:佐藤進一他編『中世法制史料集』第1巻、瀬野精一郎編『鎌倉幕府裁許状集 上』を使用するが、講 義に際して該当箇所のコピーを配布する。 参考文献:その都度指摘する。。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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1)活字に翻刻されているとはいえ、初めて古文書を読解する学生諸君には相当難しいので、毎回読み下し・現代語訳を予習した上で講義に望み、講義後は復習をして、一日でも早く古文書読解に慣れるように心がけてほしい。 2)史料を読めなければ卒業論文も書けないので、日本中世史を専攻しようと思っている学生は、「Ⅰ」・「Ⅱ」ともに受講すること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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一語・一句ごとに史料を丁寧に読解する忍耐力が必要です。その覚悟のない学生は受講しないようにして下さい。 そのためにも予習は必須です。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 講義の内容・講義の進め方などに関するガイダンス。講読分担の確認。 『貞永式目』および「追加法」の特色に関する簡単な説明。 【第2回】 「追加法」23条~25条 【第3回】 「追加法」26条~27条 【第4回】 「追加法」77条~81条 【第5回】 「追加法」82条~86条 【第6回】 「追加法」172条~186条 【第7回】 「追加法」187条~200条 【第8回】 「追加法」56条~60条 【第9回】 「追加法」61条~65条 【第10回】 『鎌倉幕府裁許状』および中世の裁判についての簡単な説明。 【第11回】 『鎌倉幕府裁許状集』第17号文書 【第12回】 『鎌倉幕府裁許状集』第20号文書 【第13回】 『鎌倉幕府裁許状集』第23号文書 【第14回】 『鎌倉幕府裁許状集』第24号文書 【第15回】 『鎌倉幕府裁許状集』第25号文書とまとめ
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