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授業の内容(Course Description) |
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1)日本の中世史にとって一番重要なことは、その主要な権力を掌握したのが武家政権=鎌倉幕府であったことである。しかし、簡単に鎌倉幕府の成立というが、その成立に至る過程は単純ではない。平氏政権・京都の朝廷、そして源義仲勢力・義経勢力、さらには奥州藤原氏などとのさまざまな対立や葛藤を経過した結果が幕府の成立であった。したがって、その成立過程をめぐっては、いくつかの画期があり、その画期をめぐってはさまざまな評価がなされてきており、その多くは現在にいたっても「定説」をみていない。 2)本講義では、その鎌倉幕府の成立過程を、いくつかの主要なテーマに沿って講義することにする。「Ⅰ」では、幕府成立過程のなかでも、頼朝の挙兵から守護・地頭の設置までの時期を扱う。 3)具体的には、そのテーマに関する基本的な史料の解読をしつつ、それの解釈をめぐる諸説を紹介し、研究の現段階と課題を確認する。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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1)鎌倉幕府成立過程に関する基礎知識を習得する。 2)対立する諸説を理解するとともに、それらの依拠する史料とその解釈の内容を理解する。 3)諸説と基本史料を知ることを通じて、幕府成立過程の研究課題についても理解する。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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出席を重視する。 それに、2回の「まとめのテスト」の結果と、1つのテーマが終わるごとに実施する「小テスト」の結果を総合して評価する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストはない。 参考文献はその都度紹介するが、当面以下の3点を挙げておく。 ①河内祥輔『頼朝の時代』(平凡社選書) ②山本幸司『頼朝の精神史』(講談社メチエ) ③木村茂光『初期鎌倉政権の政治史』(同成社)
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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講義は研究史(論文)の紹介が中心となるので、講義中で理解ができなかった学生は、講義後、その論文に読んで理解しておかないと、講義についてこれなくなる可能性があるので、復習をしっかりすること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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1)日本中世史に関する基礎的な知識を習得していること。 2)日本中世史を専攻しようと考えている学生は必ず受講すること。 3)「Ⅱ」では、「守護・地頭の設置」以後、承久の乱の直前までの期間を扱うので、「Ⅱ」も受講することが望ましい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 講義の内容、講義の進め方、などに関するガイダンス 頼朝挙兵以前までの政治過程の紹介 【第2回】 「頼朝の挙兵」に関する諸問題① 【第3回】 「頼朝の挙兵」に関する諸問題② 【第4回】 「頼朝の挙兵」に関する諸問題③ 【第5回】 「頼朝の東国支配」に関する諸問題① 【第6回】 「頼朝の東国支配」に関する諸問題② 【第7回】 「頼朝の東国支配」に関する諸問題③ 【第8回】 まとめとテスト 【第9回】 「義経と頼朝」に関する諸問題① 【第10回】 「義経と頼朝」に関する諸問題② 【第11回】 「義経と頼朝」に関する諸問題③ 【第12回】 「守護・地頭の設置」に関する諸問題① 【第13回】 「守護・地頭の設置」に関する諸問題② 【第14回】 「守護・地頭の設置」に関する諸問題③ 【第15回】 まとめとテスト
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