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授業の内容(Course Description) |
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1)日本の中世社会を理解する上で、中世村落の特質を究明することは必須の課題である。しかし、現存する断 片的な資料から、その課題に迫ることはそれほど容易なことではない。そこで、本講義では、上記の課題に接 近するために、数多く残されている荘園絵図を利用し、それらの作成意図、描かれている内容などの読解を通 じて、中世村落の特質について考えてみたいと思う。 2)本講義では、荘園絵図の中でも研究が豊富なものを数点選び、それらを読解することを中心にして講義し、 それによって中世村落の多様性や直面していた課題について講義することにする。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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1)中世村落の具体相と荘園絵図読解の技術について習得する。 2)対立する諸説を理解するとともに、それらの依拠する史料とその解釈の内容を理解する。 3)諸説と基本史料を知ることを通じて、中世村落に関する研究課題についても理解する。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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出席を重視する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストはない。 参考文献はその都度紹介するが、当面以下の3点を挙げておく。 ①小山・佐藤編著『絵図に見る荘園の世界』(東京大学出版会、1987年) ②稲垣泰彦編『荘園の世界』(同上、1973年) ③永原慶二『荘園』(吉川弘文館、1998年)
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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講義は研究史(論文)の紹介が中心となるので、講義中で理解ができなかった学生は、講義後、その論文に読んで理解しておかないと、講義についてこれなくなる可能性があるので、復習をしっかりすること。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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1)日本中世史に関する基礎的な知識を習得していること。 2)日本中世史を専攻しようと考えている学生は必ず受講すること。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 講義の内容、講義の進め方、などに関するガイダンス 【第2回】 中世村落研究の現状と課題 【第3回】 荘園絵図研究の現状と課題 【第4回】 紀伊国桛田荘絵図と村落① 【第5回】 紀伊国桛田荘絵図と村落② 【第6回】 紀伊国桛田荘絵図と村落③ 【第7回】 和泉国日根荘絵図と村落① 【第8回】 和泉国日根荘絵図と村落② 【第9回】 伯耆国東郷荘絵図と下地中分① 【第10回】 伯耆国東郷荘絵図と下地中分② 【第11回】 近江国葛川絵図と山間村落① 【第12回】 近江国葛川絵図と山間村落② 【第13回】 武蔵国鶴見郷絵図と東国の村落① 【第14回】 武蔵国鶴見郷絵図と東国の村落② 【第15回】 まとめとテスト
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