Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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日本近現代史料論演習 田中 宏巳
選択  2単位
【日本史・文化財学専攻】 12-1-1340-3241-03

1. 授業の内容(Course Description)
 歴史研究の基礎である資料(史料)の歩んだ経路、性格、扱い方について考える。近現代の資料は大正12年の関東大震災で多くが焼失し、今日まで存在するのはこれを免れたもので、重要であるが故に残ったと断言できないものもある。第二次大戦後においては、停戦から連合軍上陸までの間に、とくに軍事関係資料の大半が焼却され、幸運なものが残った。しかし残った資料も米軍に接収され、一部が返還されたに過ぎない。そのためかなりの部分をオーラルヒストリーによって補填しなければならなくなったが、その流れは戦後の時代になっても変わっていない。このような経緯を検証しながら、近現代史の問題点を理解してもらう。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 研究の出発点として、資料の歴史を明らかにし、資料の批判検討を行う必要性を理解してもらう。その上で、良質な資料を選び出し、これを使ってテーマに取り組むことが、研究着手の基本であることを認識してもらう。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 調査結果の発表とレポート提出により評価する。
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 授業計画で使用する諸資料
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 自分の研究テーマに関する資料解題を作成すること
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 研究を志す者が、周囲に対して最も実現しやすい社会的貢献は、オーラルヒストリーを作成し、歴史資料として残すことである。修士課程を修了するまでに、一つでも多くのオーラルを残してほしい。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 WDCの軍事関係資料の接収とその後
【第2回】
 明治天皇紀・明治軍事史
【第3回】
 明治二十七八年日清戦史及び海戦史
【第4回】
 明治三十七八年日露戦史及び海戦史
【第5回】
 小笠原長生日記にみる戦史編纂
【第6回】
 大正三・四年戦役海戦史、シベリア出兵史
【第7回】
 小笠原長生日記
【第8回】
 加藤寛治日記
【第9回】
 西園寺公と政局
【第10回】
 杉山メモ
【第11回】
 東條英機日誌
【第12回】
 戦藻録
【第13回】
 ラバウル文書 Ⅰ
【第14回】
 ラバウル文書 Ⅱ
【第15回】
 復員省文書