1. |
授業の内容(Course Description) |
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第二次大戦後、連合国が日本に付与した枠組みを取り上げ、戦後史に対する留意点を考える。とくに海外からの日本軍人(民間人も含む)の引揚を大日本帝国消滅の事象として捉え、維新期に逆戻りする過程について重点的に検証する。復員・引揚の経緯、戦犯裁判、賠償問題を取り上げるほか、GHQが本州四島に圧縮した日本が生存可能と考えていたのか、どのように生かそうとしたか、どのような国家に変えようとしていたかを考えて行きたい。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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戦争処理とGHQの占領政策が、今日の日本の出発点となっており、今日の諸問題の多くが戦後のこの時期にすでに発芽していること、しかし日本人がこの時期のGHQの政策を批判するのみで、学術的検証のメスをあまり入れていないことを理解してもらう。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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授業における報告とレポートによって総合的に評価する。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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田中宏巳『復員・引揚の研究』、袖井林二郎『マッカーサーの二千日』
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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原史料の調査・整理・解読、オーラル収集のフィールドワーク
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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戦後は、厖大な印刷物が出ながら、資料として残すべきものが極めて少ない不毛の時代である。印刷物から戦後史を辿ることは意外にむずかしく、資料探しに苦労する。しかし今ならまだ実体験を有する世代が健在であり、当時の話を聞くことができる。こうしたオーラルを資料として収集することが、戦後史研究の不可欠な作業であろう。オーラルを集め、資料になるオーラルヒストリーを編纂する努力を日常生活の中で行ってほしい。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】
連合軍の上陸
【第2回】
旧体制の解体と新体制
【第3回】
GHQの組織と日本占領体制
【第4回】
復員と引揚 Ⅰ
【第5回】
復員と引揚 Ⅱ
【第6回】
新生活への展開
【第7回】
BC級戦犯裁判
【第8回】
A級戦犯裁判
【第9回】
GHQ製作の太平洋戦争史
【第10回】
賠償問題 Ⅰ
【第11回】
賠償問題 Ⅱ
【第12回】
GHQの諸政策 民主化
【第13回】
GHQの諸政策 経済政策(財閥・農業)
【第14回】
GHQの諸政策 教育
【第15回】
日本はどう変わったか
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