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授業の内容(Course Description) |
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社会学の理論は、多くの社会学者の英知と彼らの実証的な検証とが選択淘汰され、その結果生き残った「凝縮された知識」である。こうした理論の根本にある問いは「近代とは何か」であるが、これはまさにわれわれの生きている現実を問い直す、現在においても非常にアクチュアルな問題提起である、といえる。この講義では、このように現実を問い直すきっかけとなるような身近な社会問題を取り上げながら、それを理論的に見ていった場合にどのようなことがいえるのかを、具体的に分かりやすく説明していくことにしたい。 この社会学理論IIでは、死の社会学と環境問題について見ていきたい。どちらのテーマも「人間の生き方」を問う、大きな問題であるといえるが、それだけに多くの人はあまり深く考えることをせずに済ませてしまいがちな主題でもある。それゆえ、この授業ではこうした問題を考えるきっかけとなるように、さまざまな理論的主張や異なった価値観に基づく見方を提示して、自分自身がどのような立場をとるべきなのかを明らかにできるようにしていきたい。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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さまざまな事実を認識した上で、特定の社会問題に対して「自分なりの考え」をもつことを、この授業の到達目標としたい。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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2回程度行われる授業内レポートと、定期試験の結果を総合して判断する。 (授業内レポートによって最高で20点程度が、試験の結果に加算されることになる)
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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授業内で、適宜指示する。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業中に出てきたわからない言葉や術語の意味などを調べて授業内容を把握しておくとともに、関連する文献や資料などを読んでおくことで、いつでも授業内レポートに対応できるようにしておくこと。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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さまざまな社会問題に興味をもち、それについて自分の頭で考えることが、抽象的な理論の理解にもつながることを知って欲しい。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 社会学理論IIについて 【第2回】 死とは何か―心臓死と脳死― 【第3回】 脳死と臓器移植 【第4回】 臓器移植問題と宗教 【第5回】 臨床心理学からみた昏睡状態と死 【第6回】 安楽死と尊厳死 【第7回】 近代医学の考え方とガン告知 【第8回】 環境倫理学とは何か 【第9回】 ディープ・エコロジーの考え方 【第10回】 エコロジー思想と自己概念 【第11回】 エコロジー思想の理論的文脈 【第12回】 エコフェミニズムの考え方 【第13回】 エコロジーと近代① 【第14回】 エコロジーと近代② 【第15回】 秋期授業のまとめ
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