Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
比較社会論 I 岩瀬 庸理
選択  2単位
【社会】 12-1-1350-0693-10

1. 授業の内容(Course Description)
 比較社会学は、歴史社会学の手法を用いて複数の社会を異なった時間と空間のもとに比較してその社会の個性を明らかにし、かつ、近代社会の社会変動の特徴を一般化しようとする連字符社会学の一つです。現代の比較社会学は、発達した産業社会の比較だけではなく、途上国社会と産業社会との比較も通して、新たに生まれつつある「地球社会」の構成要件を明らかにしようとしています。その中心はネーションとエスニシティの新しい形です。
 比較社会論Ⅰでは、まず国民性や社会的性格の比較を試みた古典を中心に「第一の近代化」論のなかでのナショナリズムを検討します。次いで、現代の「第二の近代化」(再帰的近代化)がナショナリズムを乗り越えていく過程を論じ、近代日本のナショナリズム(愛国心)の変容を位置づけます。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 日本社会と日本文化を相対化して理解できる能力の獲得を目指します。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席点(30%)
 必要に応じてリアクション・ペーパーを使います。
 試験またはレポート(70%)
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
  参考文献:R.ベネディクト『菊と刀』 講談社学術文庫 2005
       A.トクヴィル 『アメリカのデモクラシー』 岩波文庫 2008
       福沢諭吉 『文明論之概略』 岩波文庫 1995
 その他文献リストや資料は教室で適宜配布します。
 また、教室が許せば、マルチメディアを利用します。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 指定した参考文献を事前に読んでおくこと
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 日本社会を相対化してみることに関心を持つ学生の参加を望みます。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 比較社会論について
【第2回】
 比較社会学の方法と対象(Ⅰ):『自殺論』
【第3回】
 比較社会学の方法と対象(Ⅱ):『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
【第4回】
 日本文化論と国民性論
【第5回】
 国民性の比較(Ⅰ):『菊と刀』
【第6回】
 国民性の比較(Ⅱ):『菊と刀』
【第7回】
 国民性の比較(Ⅲ):『アメリカのデモクラシー』
【第8回】
 国民性の比較(Ⅳ):『アメリカのデモクラシー』
【第9回】
 再帰的近代化とナショナリズム
【第10回】
 ナショナリズムとエスニシティ
【第11回】
 ナショナリズムと愛国心
【第12回】
 近代日本のナショナリズム(Ⅰ)
【第13回】
 近代日本のナショナリズム(Ⅱ)
【第14回】
 日本の外国人と海外の日本人
【第15回】
 まとめと試験