1. |
授業の内容(Course Description) |
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近現代の西洋では、広い意味での社会認識の方法や理論(比較文明論、社会進化論、社会有機体論、平等化としての民主主義論、マルクス主義理論、ヴェーバー社会学等)が多様な形をとって発達した。この講義では、それらが明治以後の日本の思想家や学者によってどのように摂取され、日本社会の分析や将来構想に生かされたかを検討する。また海外の社会学者が、日本社会の近代化をどのように分析してきたか、その幾つかの例を紹介し、その妥当性を論ずる。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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近現代日本の思想家や学者は、西洋産の社会理論を日本社会の分析や将来像の構想に生かしてきた。その作業は、現代の我々にも有益な示唆に富んでいる。この講義では、こうした知的遺産を系統的に学ぶことで、現代日本が直面する問題に立ち向かうのに必要な基礎的な素養を身につけることをめざす。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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定期試験(80%)。期末試験の欠席者は0点の評価となるので注意すること。 平常点(20%)。毎回の講義への出欠状況をみて、平常点の評価に反映させる。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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教科書はないが、石田雄『日本の社会科学』(東京大学出版会)、秋元律郎『日本社会学史』(早稲田大学出版部)は、全体を通じて参考になる。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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授業のおりに、各回の講義内容と密接に関連する研究書の章や節、雑誌論文などを指示するので、予習復習にさいして必ず参照すること。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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遅刻しないこと。私語しないこと。 質問の機会を与えるので、講義で分からないことは、遠慮なく質問すること。 この科目では、歴史上の思想家や学者と対話して、彼らのいう所を自分の頭で理解することが大切である。その点で辛抱強さや、現代人としての自分の価値観や見方から離れて、相手に即して相手を理解する柔軟さが必要になる。そうした点に留意して、授業をきいてほしい。また週に一度講義を聴いてノートをとるだけでは、十分な理解に達することは難しい。知識を真に身につけるためにも、予習復習を欠かさないようにして欲しい。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 講義の趣旨説明 【第2回】 福沢諭吉とギゾーのヨーロッパ文明史 【第3回】 自由民権運動とスペンサーの社会学 【第4回】 加藤弘之と社会進化論 【第5回】 中江兆民とルソーの社会契約論 【第6回】 徳富蘇峰とトクヴィルの民主主義論 【第7回】 長谷川如是閑と社会共同主義 【第8回】 和辻哲郎とテンニース理論 【第9回】 山田盛太郎とマルクス主義 【第10回】 大塚久雄とヴェーバー 【第11回】 丸山眞男とヴェーバー 【第12回】 丸山眞男の市民社会論 【第13回】 内田義彦とマルクス経済学 【第14回】 ベラーの日本近代化論 【第15回】 ドーアの日本近代化論
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