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授業の内容(Course Description) |
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本演習のテーマは、「社会学演習Ⅰ」に引き続き、共生社会の在り方について、社会学的に検討することにある。三重野は、「共生社会論Ⅱ」という講義を開講しており、本演習の履修者は、同科目を履修していることが望ましいが、必ずしも不可欠の要件ではない。共生に関する概念について、より理解を深め、各自、問題設定を行い、自ら調べ、報告することを本演習の目的としている。 欧米からわが国に導入された用語として、社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)、社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)が注目を集めている。こうした用語は、高度産業化、グローバル化の中で、人間関係が崩壊しつつあるという状況を反映している。後期では、まず、三重野が簡単にそれらの用語を解説する。これらの概念では、人間の絆、地域力、社会参加、そして、ボランティア活動やNPOも議論の対象になる。それを踏まえて、学生と相談のうえ、社会関係資本、社会的包摂(含む、社会的排除)に関連する基本的な文献を選定し(内閣府、さいたま市などの官庁、地方自治体の報告書を含む)、学生をグループ分けして、レジメを作成し、内容、論点を発表し、議論してもらう(演習の初期から中期にかけて)。さらに、演習の後期にかけて、学生に、ネットや雑誌、本などを探索し、各自、それぞれ、興味のあるテーマを設定して、報告してもらう。以上を踏まえて、社会関係資本と社会的包摂の共通性と差異について、理解を深めることとする。
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授業の到達目標(Course Objectives) |
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①各自、それぞれの立場から、共生に関連する社会関係資本、社会的包摂について理解し、問題設定を行えるようになること。 ②前期に引き続き、本、論文などの探索、読み方を体得すること。 ③さらに、プレゼンテーション、報告の仕方、および議論の仕方を体得すること。
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成績評価方法(Grading Policy) |
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成績評価は、日常の出席点、議論への参加度合い、および実際の演習での発表について、総合的に判断する。
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テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは、特に指定しない。参考文献は、随時紹介する。また、プリントを配布する。
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授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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配布プリントは、事前に読んで、当日の議論に参加すること。また、学生の報告が多い授業になるため、事前に十分な準備を行い(例えば、関連資料にも目を通す)、実際に、報告を行うこと。
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学生への要望・その他(Class Requirements) |
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上記の通り、学生の報告部分が多い授業となるため、積極的な姿勢で演習に参加して欲しい。また、日頃、新聞、雑誌、ネット、テレビなどをみるとき、共生に関連する地域力や人間の絆、社会参加の論点から、社会のあり方を検討するようにして欲しい。
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授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 (イントロダクション) 共生、および共生社会に関連する関係性概念、さらに、ボランティア活動、市民活動、差別、権利などについて言及する。 【第2回】 (関係性概念の諸相) こうした関係性が資本として作用する社会関係資本、人々を社会に包摂する社会的包摂などについて、その概念、さらに数量化との関係で考察する。 【第3回】 (文献、テーマの設定) 人々の関係性をめぐる諸議論を扱った文献リストを学生に示し、扱う文献を決め、また、学生に問題意識を話してもらう。さらに、それぞれの回の司会者を決める。 【第4回】 (文献講読Ⅰ) 関係性をめぐる代表的な文献について、学生にレジメを作成して発表してもらう。 【第5回】 (文献講読Ⅱ) 【第6回】 (文献講読Ⅲ) 【第7回】 (文献講読Ⅳ) 【第8回】 (文献講読Ⅴ) 【第9回】 (報告Ⅰ) 学生にそれぞれの関心に基づき、関係性をめぐる諸問題について、プレゼンテーションをしてもらう。 【第10回】 (報告Ⅱ) 【第11回】 (報告Ⅲ) 【第12回】 (報告Ⅳ) 【第13回】 (報告Ⅴ) 【第14回】 (報告Ⅵ) 【第15回】 (報告Ⅶ)
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