1. |
授業の内容(Course Description) |
|
春期に引き続き、ひとりの精神分析家の著作を読み、精神分析の本質に触れることをめざす。 使用するテキストは、著者のパーソナルな視点から、フロイトとフロイトが行ったこと、精神分析の本質について語られた上巻(春期のテキスト)に引き続く下巻である。主にフロイト以降の精神分析の発展について、著者の視点、対象関係論的な視点から語られている。 精神分析は、フロイトが創始した独特の治療的営みであると同時に、その営みから抽出した人間のこころのありかたについての仮説的な理解の体系でもある。巷に流布するその浅薄で偏った理解にとどまらず、自分自身をも含めた人間理解の体系としてのその深淵の一端に触れることを目的とする。
|
2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
|
理論中心の系統講義では得られにくい生き生きとした精神分析学の基本的な知識の概略をつかみ、自分自身を含めた人間理解を深めると同時に、発表、レジュメ作成、討論などを通じて、更なる社会人基礎力の養成をめざす。
|
3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
|
発表、討論への義務としての参加、レポート(レジュメ)で60%とし、そのほか、自主的な討論頻度(1回の発言につき5%評価をあげる予定である)、内容、態度などを組み合わせ、総合的に評価する。演習形式の講義なので出席を重視する。半分以上欠席した場合は単位は認定しない。
|
4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
|
テキスト:『集中講義・精神分析 下 』(単行本)藤山 直樹(著)岩崎学術出版社
|
5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
|
発表者は、事前に十分に内容を理解するよう努力して、それを要約したレジュメや参考文献、参考資料を準備し、A4で2~3枚程度にまとめ、当日は他の履修者が内容を理解できるように発表をする。討論者には、質問と討論の中心となることが求められる。発表者はこうした質問や討論に対応できるだけの準備が求められることになる。他の履修者も、事前にテキストの該当部分を読んで出席し、積極的に討論に参加することが求められる。
|
6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
|
適宜池田のHP(http://appsv.main.teikyo-u.ac.jp/~m-ikeda/index.htm)を参照すること。 真剣に学ぼうとしている他の履修者に迷惑をかけないこと(私語、携帯電話、発表者・討論者など担当した役割の無断放棄など)。 創造的、主体的な参加が望まれる。
|
7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
|
【第1回】 発表者と討論者を決める。通常2-3回ずつ担当することになる。発表者を中心にグループで討論した後、全体で討論する。その際、発表者はグループ討論で出てきた質問や意見をまとめて全体討論に出すことが求められる。概ね以下のような予定で進めるが、日程や進行具合で適宜調整する。 【第2回】~【第15回】 以下の章を分担して各人1-2回発表し、討論を行う。一部他の文献も使用するが、それは教員が準備する。 3 フロイト以後 イントロダクション、対象関係論を中心に4p フロイトとフロイト以後の精神分析16p 第一世代の分析家たち24p 自我心理学の流れ15p クラインの人と仕事(1)29p クラインの人と仕事(2)11p ビオンとポストクライニアン32p ウィニコットの人と仕事(1)24p ウィニコットの人と仕事(2)27p フェアバーンとバリント14p ラカンの人と仕事16p 現代の精神分析18p 日本の精神分析18p
|