Web Syllabus(講義概要)

平成24年度

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心理学演習A 新谷 和代
必修  2単位
【心理】 12-1-1360-0290-03

1. 授業の内容(Course Description)
 親子関係は、一方で親の変化の結果として変化し、他方で子どもの変化(発達)の結果として変化する。親の変化と子どもの変化は循環的な因果関係にあり、親子は、相互に関連しあいながらそれぞれの行動を変え、関係を変えていく(氏家 2011)。つまり、ある気質を持って生まれた子どもは、自分の親などをモデルとした親イメージを持つ親(多くは母親)と出会い、日々関わる中で、お互いに影響を与え合いながら、独自の「親子関係」を形成していく。そしてもう一人の親(多くは父親)も、配偶者の育児を助けながら、子どもとも主体的に関わるなかで、同じように親子関係の絆を形成していく。その2つの信頼の絆は、先に形成されている夫婦関係の絆とともに、後から生まれてきたきょうだいも巻き込みながら、その家族を特徴づける家族関係を作っていく。また、それらの親子関係や家族関係の形成には、両方の祖父母による見守りや援助、関係機関(保健師、保育士、栄養士など)による専門的なアドバイス、その家族が暮らす地域からの援助そして同世代の子どもを持つ親たちとの情報交換や、「共に生きる」というつながり感が、大きな役割を果たしている。
 この演習の前期の目的は、下記のテキストの講読により、自分が育ってきた中での親子や家族についてのイメージも大切にしながら、以上のような親子・家族の絆の形成の複雑さイメージを学ぶことである。そして、親子関係や家族関係に関する多くの知見に触れる中で、様々な研究の可能性を知り、後期に行う質問紙調査やインタビュー調査、参与観察(フィールドワーク)の準備を行う。
2.
授業の到達目標(Course Objectives)
 親子関係や家族関係に関する文献に触れ、知識を高めること。
3.
成績評価方法(Grading Policy)
 出席60% 発表20% ディスカッション20%
4.
テキスト・参考文献(Textbooks)
 テキスト:氏家達夫・高濱裕子(編著)『親子関係の生涯発達心理学』風間書房(2011)
 参考文献:授業時に適宜紹介する。
5.
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments)
 テキストの他、授業時に配布する参考文献や資料には必ず目を通し、自分の考えを磨いていくこと。
6.
学生への要望・その他(Class Requirements)
 親子関係や家族関係に関するニュースや新聞記事などには、積極的に関心を持ち、読んでみること。それにより、自分の経験のみからの親子イメージ・家族イメージから一歩踏み出し、研究する者としての視点を持つことができる。
7.
授業の計画(Course Syllabus)
【第1回】
 オリエンテーション 文献発表割り振り
【第2回】~【第14回】
 文献購読(発表とディスカッション。途中にミニテストあり)
【第15回】
 まとめと期末テスト(または期末レポート)