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授業の内容(Course Description) |
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ヒトの心理現象たとえば喜怒哀楽、快不快、注意、記憶などは、最新の脳科学でその一部が明らかになりつつある。本講義ではヒトの心理現象の主体である中枢神経系の基本構造、神経活動の基礎およびその機能的役割を学習する。脳の基本構造を理解するための脳画像については、実際の日本人の脳の3次元構造画像を観察する予定である。前期にはこうした神経生理の基礎と最近の脳機能計測法がもたらした研究成果を学ぶ。後期は脳の可塑性、発達とストレス、感情と脳の関係など臨床心理研究に近接した領域のいくつかの論文を取り上げ、学生の皆さんにスライドによるプレゼンテーションで紹介していただく。神経生理への理解を深めると同時に効果的な発表の能力をつけることを目的にしており、論文した後に講演集(冊子)としてまとめる予定である。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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大脳および大脳辺縁系の基本構造・機能とこころの関係を理解する。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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試験成績・出席状況等を合わせて、学年末に総合的に評価する。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは特に指定しない。
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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関連する図書を積極的に読むことを期待する。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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学習意欲のある熱心な学生の参加を期待する。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 中枢神経系の基本構造について講述する。 【第2回】 交感神経・副交感神経系の機能解剖について講述する。 【第3回】 神経伝達の基礎について講述する。 【第4回】 中枢神経系の発生と発達および加齢について講述する。 【第5回】 磁気共鳴画像の撮像方法について講述する。 【第6回】 3次元の構造画像にて脳の基本構造を観察する。 【第7回】 脳機能計測(fMRI)と結果の評価について講述する。 【第8回】 脳機能計測(NIRS)と結果の評価について講述する。 【第9回】 脳機能計測(MEG)と結果の評価について講述する。 【第10回】・【第11回】 脳機能計測(EEG)と結果の評価について講述する。 【第12回】 発汗・心拍のメカニズムと記録方法について講述する。 【第13回】 眼球運動のメカニズムと記録方法について講述する。 【第14回】 前期のまとめ、質疑応答をおこなう。 【第15回】 感情と脳の関係について概説する。 【第16回】 扁桃体と感情について学習する。 【第17回】 前頭葉と人格について学習する。 【第18回】 海馬と記憶について学習する。 【第19回】 快情動について学習する。 【第20回】 アルコールの効果について学習する。 【第21回】 ストレスと身体症状について学習する。 【第22回】 発達とストレスについて学習する。 【第23回】 PTSDの脳について学習する。 【第24回】 虐待と脳について学習する。 【第25回】 鬱病と脳について学習する。 【第26回】 統合失調症と脳について学習する。 【第27回】 論文集作成 【第28回】 まとめ、年間講義内容に関する質疑・応答等を行う。 【第29回】・【第30回】 まとめ
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