1. |
授業の内容(Course Description) |
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犯罪についての社会学的理論を学習する。犯罪学の分野では、遺伝や、知的能力など犯罪者の生得的な資質に主眼を置くものから、1920年以降は社会学的視点からの研究が主流となっている。授業では、古典学派から社会学習理論、社会統制理論等の各理論を概観すると共に今後の犯罪理論の進むべき方向等についても検討したい。
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2. |
授業の到達目標(Course Objectives) |
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社会病理現象の一つともいえる「犯罪」について、社会学者はこれまでどのように理論化してきたのかを概観し、社会のどのような病理的状態が犯罪現象の温床となりうるのかについても認識を深めたい。
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3. |
成績評価方法(Grading Policy) |
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おおむね授業出席60%、レポート30%の割合で総合評価する。
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4. |
テキスト・参考文献(Textbooks) |
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テキストは指定しない、必要に応じて、適宜プリント配布する。 参考図書:F.P.ウイリアムズⅢ、M.D.マックシェン 著 藤野京子、浜井幸一・郁子 訳 『犯罪理論』 C.R.バートル、A.M.バートル 著 羽生和紀 監訳 『犯罪心理学』
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5. |
授業時間外の学習《準備学習》(Assignments) |
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テキストは使用しないので、授業には配布プリントを必ず持参すること。
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6. |
学生への要望・その他(Class Requirements) |
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犯罪行為は、個人的あるいは環境的な要因がからみあって生じるものであり、一片の理論をもって説明可能とはいえないが、犯罪理解の思考的枠組みを提供するものであることを理解して授業に臨むこと。
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7. |
授業の計画(Course Syllabus) |
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【第1回】 犯罪の原因は何か 【第2回】 犯罪理論について:犯罪学、犯罪心理学、犯罪社会学的アプローチ 【第3回】 古典学派:古典学派と社会的背景 【第4回】 実証学派:統計、計測などによる科学的犯罪学 【第5回】 シカゴ学派:人間行動への社会的・物理的環境の影響 【第6回】 分化的接触理論:犯罪行動の学習 【第7回】 アノミー理論:目的と手段の不一致 【第8回】 サブカルチャー理論:社会階層間の文化葛藤 【第9回】 ラベリング理論:犯罪者認定をめぐる問題 【第10回】 コンフリクト理論:社会階層間の葛藤 【第11回】 社会統制理論:通常なぜ人々は犯罪を犯さないか? 【第12回】 社会的学習理論:オペラント条件付けとモデリング 【第13回】 自己概念理論:非行絶縁体 【第14回】 牽引理論:犯罪非行の「内的牽制」と「外的牽制」 【第15回】 犯罪理論の将来:理論の統合など
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